キングス・クロスの業者と住民で対立

新法の影響の光と影

 NSW州政府が、盛り場のアルコール関連暴力に厳罰を科する新法を導入して4か月が過ぎた。キングス・クロスやジョージ・ストリートなどの盛り場は業者と住民の間で新法の影響の評価が大きく隔たっている。

 キングス・クロスで18歳の若者が1年をおいて、行きずりの泥酔男に殴られ、死亡する事件が起き、それまでの繁華街や裏路地での行きずり暴力事件多発も加え、被害者、家族、警察、医療関係者などから実効性のある暴力根絶対策の要求が出されていた。その結果、州政府は、「特定繁華街のアルコール提供店は午前1時半に入店停止、午前3時ラスト・オーダー」の法律を成立させた。業者は、「暴力事件の加害者は自宅で飲み、酔ってから繁華街に出てくる」と主張しており、また、反対側からは、「午前3時ラスト・オーダーではザルのような生ぬるい法律」との批判が出ていた。

 ABCラジオ放送が拾った町の声では、キングス・クロスで16年テイカウェー・ショップを営んでいる男性が、「人出が減り、商売もさびれ始めている。もう3,4か月この調子なら、バタバタとつぶれていくだろう。40%くらい売り上げが減った」と語っている。また、ガードマンをしている男性は、「午前1時半を過ぎると地元客ではなく、旅行客がどこに行けばいいのか途方に暮れている。キングス・クロスは世界的に有名で、旅行客も大勢ここに集まってくる」と語っている。また、午前1時半になるとサリー・ヒルズやニュータウンなど指定地区外に移動する客も多いという声も聞こえる。

 一方、ポッツ・ポイントやダーリングハーストなどキングス・クロス周辺の住宅地区では住民運動代表が、「18,000人を超える住民が生活の平常化に喜んでいる」と語っている。また、キングス・クロスの暴力事件被害者が送られるセント・ビンセント病院の緊急病棟のゴーディアン・フルディ医長は、「いわゆる背後から頭や顔を殴りつける卑怯者パンチだけでなく、路上に倒れた者を蹴り続ける暴力被害、集中治療室行きその他重篤な負傷事件がめっきり減った。ありがたいことだ。しかし、泥酔するまで呑むということだけは変わっておらず、暴力が減っただけだ。法律が効果を現したのは確かだ。残る問題は、自制心を失うまで呑むという習慣を捨て去ることだ」と語っている。(NP)

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