新鉄道建設計画で通勤に支障も

一部民営化でレッドファーン無停車

 マイク・ベアードNSW州政権の新予算案はトニー・アボット連邦政権に比べてはるかに社会的弱者に厚いとの好意的評価があるが、相変わらず都市部偏重農村部軽視の批判がある。また新たに保守政権の地盤であるシドニー首都圏北部と南部の一部が優遇されすぎているとの批判も出ている。

 また、新鉄道計画も予算案で出されたが、首都圏西部と南西部からの鉄道旅客がレッドファーン駅や新設計画のある地下延伸部シドニー大学駅では乗降できない可能性が出てきている。

 新計画ではバンクスタウン駅とシドナム駅を結ぶバンクスタウン線は民営の一階建て車両で新ハーバー・トンネルを通過する新線でシドニー北部まで走ることになっているが、シドナム駅からセントラル駅まで無停車になる。そのため、現在のマリックビル、カンタベリー、キャンプシーなどの駅とレッドファーン、セント・ピーターズ、アースキンビルなどの駅はすべてシドナム駅かセントラル駅で乗り換えることになる。

 この問題は、ベアード政権が新たに発表した私鉄のハーバー・トンネル新線がチャツウッドで従来の州営鉄道に接続する計画図で判明した。この計画私鉄には市内に3駅が新設されるが、そこからシドナム駅までは停まらない。

 現在、シドニー首都圏やイラワラ線、ニューカッスル線などで運行している二階建て車両は定員を増やせるが車両の両端に2つの扉しかないため旅客の乗降に時間がかかる。これに対して世界の首都圏近郊電車は一階建てで扉を3箇所ないし4箇所設けて乗降所要時間を短くする他、駅間距離も短くしている。計画私鉄もこれにならいながら、シドニー市内南部で6kmの空白が起きることになる。さらにはシドニー北部でもアーターモンのような通勤客乗降の多い地域も無停車になっている。その他にも首都圏の線をメトロ・タイプの鉄道に切り替えていく計画と一部でまだ運行している貨物列車との調整にも難航が伝えられている。

 新線で無停車区間が増えることについては、「私鉄新線が他の既存鉄道や地下駐車場などを避け、シドニー湾海底の下をくぐるため、かなり地下深くなることが原因」とされている。野党労働党のペニー・シャープ交通スポークスウーマンは、「レッドファーンやセント・ピーターズ、アースキンビルなど乗降客が増えつつある地域に駅を置かないというのは政府の鉄道計画の無計画性を物語っている」と批判している。(NP)

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