小売鶏肉から規制抗生物質検出

食品経由の耐性菌蔓延のおそれも

 ABC放送の報道によれば、世界的に抗生物質に強い耐性を持つ細菌、スーパー・バグの蔓延が怖れられているが、キャンベラ地域の大手スーパーマーケット系列から購入した小売鶏肉に家畜に使うことが禁止されている抗生物質の存在が検出された。

 オーストラリア国立大学(ANU)の生物学部研究グループは、キャンベラ地域のスーパーマーケット三社の店頭で281個のサンプルを購入した。大腸菌で汚染されていた鶏肉サンプルを調べたところ、採取された大腸菌の3分の2ほどが抗生物質のいずれかに耐性を持っていた。もし人が汚染された鶏肉を通して感染した場合、抗生物質治療が効かない場合も起きる。

 同研究チームが特に問題にしているのは、4個のサンプルから強力な抗生物質、フルオロキノロンに耐性を持つ細菌が見つかったことで、オーストラリア国内ではこの抗生物質は食用家畜に用いることは禁じられている。この抗生物質は国内で家畜に用いることが一度も認められておらず、国内ではフルオロキノロン耐性は非常に低いと評価されていた。

 この研究から、食品が耐性菌の広まる原因になっている可能性が考えられている。大腸菌は一般に腸内で見つかる細菌だが、尿路感染症や敗血症などの感染症を引き起こすとされている。食肉から耐性菌が人体に入るだけでなく、意図せず抗生物質も一緒に体内に取り込むことになる。このような汚染が養鶏場からスーパーマーケット店頭までのどこかで起きているということになる。

 シドニー大学の獣医学臨床薬学のスティーブン・ページ博士は、「国内養鶏業界は世界的な評価を受けており、養鶏業者が規制抗生物質を与えて定評を失うような行為をするとは考えられない。国内の養鶏産業は7社が800箇所の養鶏場を管理しており、厳しい品質管理からもともとフルオロキノロンのような強い抗生物質を必要としていない」と語っている。

 一方、ABC放送は、連邦保健省、農業省、豪農薬獣医薬管理局(APVMA)、NSW州第一次産業省にフルオロキノロン管理について問い合わせ、各政府機関が互いに責任を譲り合う始末になったことを報じている。(NP)

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