パラマッタ・ガールズ・ホーム再開発計画

元収容女性らが抗議の声挙げる

 NSW州シドニー首都圏西部ノース・パラマッタのガールズ・ホームはかつて孤児女性らを収容し、家事や職業技術を身につけさせる教育訓練を行っていたが、現実には職員らによる収容児童の肉体的虐待、性虐待も頻繁に行われていことが連邦政府の設立した特別調査委員会で元収容女性らの証言によって暴露された。しかし、現在はNSW州政府がガールズ・ホーム施設敷地の再開発を計画しており、同施設で辛酸をなめた女性らが抗議の声を挙げている。

 通称「ガールズ・ホーム」と呼ばれたパラマッタ・ガールズ・トレーニング・スクールの施設は1887年から、閉鎖が命じられた1974年までの間、3万人を超える女性が収容され、子供時代を過ごしたが、何百人もの女性が虐待を受けたが、「児童虐待に対する組織の対応」を解明する特別調査委員会の証言により、虐待は職員の間で組織的に隠ぺいされてきた疑いが持たれている。

 NSW州の保守連合政権は、ノース・パラマッタのオーストラリア・パラマッタ女性工場史蹟地区に何十億ドルもの資金を投じての再開発計画を提出している。しかし、過去に虐待を受けた収容女性の中には「ガールズ・ホームでの虐待の歴史が打ち消されるのではないか」と抗議の声を挙げている。

 女性工場は1821年に女性流刑囚、孤児、貧困家庭の児童などを収容する施設として発足、1847年には精神障害・疾病女性流刑囚施設になり、1983年にはカンバーランド病院になっている。ガールズ・ホームは1844年に女性工場に隣接してカソリックの孤児学校として開かれ、1887年に児童福祉施設(パラマッタ・ガールズ・ホーム)になる。1980年にノーマ・パーカー女性拘置所になる。

 州政府の計画に対して、1970年に8か月ガールズ・ホームで過ごし、2003年に、施設内で死亡した女性達を記念する意味で元収容女性支援グループを設立したボニー・ジュリックさんは、「元収容女性その他個人的な関係者が計画を検討する時間を与えてもらいたいとする嘆願書を政府に提出している。ジュリックさんは、「今の政府の行為は、かつて虐待を受けながら誰にも訴えることができなかった収容女性の無力感を再び思い起こさせる行為だ」と語っている。

 これに対してパラマッタ選挙区出身のジェフ・リー議員は、「施設の歴史的重要性が無視されるのではないかという懸念は根拠がない。再開発でこの地区がシドニー西部の観光を創出する世界的なプロジェクトになるはずだ」と反論している。(Ratei)
■ソース
Former residents angered at plan to redevelop Parramatta Girls Home

http://www.abc.net.au/news/2014-12-27/parramatta-girls-home-redevelopment/5989684

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