今年のオーストラリア国民発表

息子を元夫に殺された母親

 1月26日のオーストラリア・デーで、別れた夫に息子を殺された母親が家庭内暴力をなくすキャンペーンに献身してきた業績を評価され、「今年のオーストラリア国民」に選ばれた。オーストラリア・デーの顕彰ではトップ4人が女性で占められるという結果になった。

 VIC州南東部のロージー・バティさんは、息子のルーク君(当時11)が町のクリケット・グラウンドで練習後、見に来ていた父親にクリケット・バットで殴り殺された。父親は駆けつけた警察官を攻撃しようとしたため、射殺された。その後の調べで父親には何件かのAVOなどが出されていながら警察が察知しなかったことや精神障害に悩んでいたことが明らかになった。

 事件後、ロージーさんは家庭内暴力が起きていても隠され、また被害者が心理的あるいは経済的理由で泣き寝入りしてきたことを説き、社会に対して、家庭内暴力の被害者の声に耳を傾けるよう訴えた。ルーク君殺害事件はオーストラリア国民に衝撃を与え、ロージーさんの訴えにメディアなども家庭内暴力を「他人の家庭内問題」として片付けてはならないと報道するようになった。

 ロージーさんは、26日の名誉称号を「息子のルークに捧げたい。彼のために私が発言すべきだと気づき、聞いてもらうことができるのだ」と語った。また、政府に対しては、「家庭内暴力に対する戦いに長期的な予算を確保し、性差別的な態度に対して見過ごしにしないよう訴える。男性は互いに家庭内暴力を赦さない態度を取って欲しい」と語り、さらに、「恐怖の中で暮らしている女性や子供達に訴えたい。あなたたちが悪いのではない」と訴えた。

 しかし、最近になって、トニー・アボット保守連合連邦政権は、家庭内暴力被害者の受け皿になっている社会事業部門の予算を大幅に削っており、ロージー・バティさんを「今年のオーストラリア国民」に選んだこととロージー・バティさんの活動を台無しにする政策との矛盾に批判が挙がっている。

 他に、貧困に暮らす人々と良質な物品援助をつなぐポータル、GIVIT設立者、QLD州州キャンプ・マウンテン在住のジュリエット・ライトさんが「地域のヒーロー」に選ばれた。NSW州在住のジャッキー・フレンチさんは、「今年のシニア国民」に選ばれ、WA州のドリサナ・レビツキ=グレイさんが「今年の青年国民」に選ばれている。
■ソース
Australian of the Year: Rosie Batty awarded top honour for efforts to stop family violence

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る