「同僚の性暴行を告発すれば身の破滅」

国内有数の女性外科医が議論の渦中

 国内でももっとも権威のある女性血管外科医が、若い女性外科研修医に対して、「同僚から性的暴行を受けた場合は黙っているのが得策」と発言し、猛烈な批判を受けたが、発言した血管外科医は批判に反撃している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 発言者のドクター・ガブリエル・マクマリンは、3月6日、シドニーのNSW州議会議事堂で、性平等に関する本の発表会を手伝った後、ABCラジオのインタビューを受け、その中で、「外科医を目指す若い女性が同僚から性的に迫られた場合、たとえいやでも受け入れた方が得策だ。相手の行為を告発すればたとえ裁判で勝ったとしても外科医としては破滅するだろう」と発言した。

 この発言が性虐待や家庭内暴力の根絶を進める団体から批判を受け、VIC州性暴行対策センターのキャロリン・ワース・スポークスマンは、「高度な訓練を受けた専門家はもっとまともな制度を運営できるものと思っていた。まさかこれが現代に通用するアドバイスとはとても思えない」と批判している。

 これに対してドクター・マクマリンは、「外科という男優位の職業は甚だしい性差別があるというのが醜い現実だ。私はその醜い現実を現実的なアドバイスで明るみに出しただけだ。あの発言以来、女性から電話を受けるがいずれも『よく言ってくれた。今まで抑圧され、隠されていたが、あなたの発言のおかげで初めて明るみに出された』という言葉ばかりだ。それこそ私の狙いだ」と反論している。

 さらに、ドクター・マクマリンは、ドクター・キャロリン・タンの事件について語った。ドクター・タンはメルボルンの病院で外科研修医を務めていた時に外科医からセクシャル・ハラスメントを受けたことを告発し、2008年に訴訟に勝ったが、それ以来、中傷を受け、オーストラリア国内の公立病院はどこも仕事に就けない状態が続いている。ドクター・マクマリンは、「事件の夜にセックスを迫った外科医のために彼女の外科医としての将来は閉ざされてしまった。彼女がその外科医にオーラル・セックスしてやればもっと明るい未来が開けていただろうというのが現実だ」と語り、「残念ながらそれが現実なんだ」と結んでいる。

 VIC州医師会のトニー・バートーン会長は、「ドクター・マクマリンのアドバイスには賛成できない。性暴行は犯罪であり、容認されてはならない。医師も同じだ。告発者が不利益をこうむることがあってはならない」と語っている。
■ソース
Senior surgeon Gabrielle McMullin stands by advice for female doctors to stay silent on sex abuse

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る