シドニー大学、エリート私学優遇入学

NSW州野党も与党教育相も批判

 フェアファクス・メディアが、シドニー東部のエリート私学スコッツ・カレッジの生徒がHSCを受けず17週間のディプローマ・コースだけでシドニー大学に入学できるはからいを受けたことを報道した。これに対して、NSW州保守連合政権のエイドリアン・ピッコリ教育相は、「大学入学は公正かつ公平でなければならない。一部の生徒を不公平な優位に立たせる制度はどんなものでも許容できない。この問題を大学を管理している連邦政府と話し合うつもりだ」と語った。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 今回問題になったのは、「高等教育入学ランク」が55%から70%程度と予想される大学志望者を対象にした試験的制度の「Diploma of Tertiary Preparation」で、これに応募したのがスコッツ・カレッジの生徒だけだったとされている。これに対して、ルーク・フォリー州議会労働党党首は、「大金を払える者にだけ与えられる飛び入学制度だ。国際的にも評価の高いNSW州のHSC制度を危うくする行為だ」と批判している。

 4月6日朝、フォリー氏は、「連邦保守連合政権は、大学入学を金持ちの子弟優遇に向けようとしつづけている。この試験的制度も、アボット政権の高等教育部門改革の動きから派生してきたものだ。しかし、州のHSC制度の管理者として州政府がこの問題に介入しなければならないと考える」と語り、ピッコリ教育相に立場を迫った。また、大学入学は学力にのみ基づくべきだとするシドニー大学教職員の要求で、3月25日には教授会が、「21歳未満のディプロマ・コース修得者はHSCまたは同等の資格を取得しなければならない」と決定した。

 2014年に問題のディプロマ・コースを受けたのはスコッツ・カレッジの生徒8人で、2015年にそのうち6人に特定の学士コースが提示された。そのうち4人が入学し、1人が決定を延期した。しかし、3月の教授会では2015年の試験的制度でスコッツ・カレッジの11人がディプロマ・コースを受けるつもりだったことが知らされておらず、教授会ではこの11人についてもディプロマ・コースを認める旨を発表している。

 このディプロマ・コースは通常$12,000かかり、本来は社会人やHSCを逃した人々を対象にしている。コース運営者は、「応募がスコッツ・カレッジの生徒しかいなかっただけ」としているが、「公立高校は、大学入学の難しい生徒の保護者がコースのために$12,000出して入学資格を買うことをいいこととは考えていないからだ」との反論が出ている。
■ソース
Scots College: Education Minister Piccoli rails against ‘unfair’ advantage for uni entry

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