妊娠女性「エホバの証人」信者死亡

病院で輸血拒否し、胎児とともに

 シドニーの病院で妊娠中の女性「エホバの証人」信者が輸血を拒否し、胎児とともに死亡した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 市内ランドウィックのロイヤル婦人病院・プリンス・オブ・ウェールズ病院でのできごとで、女性は妊娠7か月近く、白血病と診断され、合併症の症状を見せていた。病院の医師は、「女性が治療を拒まなければ2人の命を救えたものを」と病院職員もショックを受けていると語っている。

 女性の疾患、急性前骨髄球性白血病を発症した妊娠女性の80%は、適切な治療を施せば疾患も鎮静し、胎児も無事に出産できる見通しが強いが、しかし、この28歳の女性は「エホバの証人」信者であり、母子を救うために必要な輸血を受けることを宗教戒律が禁じている。倫理学者や医師は、「妊娠中に生命を救えるほどの治療法が次々と開発されており、それが難しい問題を生んでいる」と語っている。

 血液学者のギゼル・キッドソン=ガーバー氏は、「がん患者治療の経験や自分自身のキリスト教信仰から、女性の決心は理解できるが、そのために胎児が死ぬことを考えると難しい」と語っている。また、女性を担当した産科医チームは、「彼女は帝王切開しなければならない状態だったが、そうすれば出血多量で死ぬことはあきらかだった。そういう状態では帝王切開に踏み切ることはできなかった。帝王切開すれば胎児を助けることはできるが、女性を死なせることになる」と語っている。

 キッドソン=ガーバー医師とアンバー・ビスコー医師はこの女性の症例を「Internal Medicine Journal」に寄稿しており、「女性が脳卒中と多臓器不全を起こし、胎児も死亡した。インフォームド患者が救命処置を拒めば通常その意思が尊重されるが、そのために胎児が死ぬことになれば、母親の治療を拒む権利も論議を呼ぶことになる」と述べている。
■ソース
Pregnant Jehovah’s Witness’ decision to refuse treatment ‘harrowing’ for hospital staff after mother and baby die

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る