「ISPは海賊ユーザー詳細を提出せよ」

連邦裁、著作権者に有利な判決

 4月7日、連邦高裁は、「ISPは、映画『Dallas Buyers Club』を違法にダウンロードした疑いのあるユーザーの連絡先などを同映画の著作権者に提出しなければならない」との判決を下した。この判決を受け、著作権者側は、「オーストラリア国内の何千人かに和解勧告状が届くだろう」と警告している。しかし、知的財産権関係法弁護士は、「その映画を違法にダウンロードした個人が巨額の罰金を迫られることはほとんどありえない。そんなことをしても海賊版の解決にはならない」と語っている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 バンキ・ハドック・フィオラ弁護士事務所のピーター・バンキ弁護士は、「この訴訟は一般社会に向けて、著作権法で何が許されているか、何が許されていないかを教育することが目的であり、威嚇することではない」と語っており、著作権所有者から手紙が来るという話におびえる必要はない。まず、手紙の内容がまだ分かっていない。威嚇の手紙ということは考えられない。次に、ほとんどの人は違法に映画をコピーしただけだ。海賊版を大量配布したり営利活動をしたわけではない。まず怖れる必要はない」と分析している。

 アメリカでは著作権者の権利が手厚く保護されており、弁護士は映画の違法ダウンロード者のIPアドレスや氏名のリストを手にしており、1976年の法律で最高15万ドルまでの罰金を請求できるとしている。また、5千ドルで和解したという話も流れている。

 バンキ弁護士は、「オーストラリアではまずそういうことは起きないだろう。そこにいくまでに何段階もの手続きがある。判事は、著作権者が違法ダウンロード者に送る手紙の提出を求めている。判事が、脅しの手紙で海賊版問題が解決しないことを認識しているのだろう」と語っている。

 また、業者団体のコミュニケーションズ・アライアンスのジョン・スタントンCEOも、「オーストラリア国内では、著作権者が請求できるのは損害賠償水準に限られ、懲罰的な罰金は許されていない。ISPは著作権者の代理でユーザーを懲罰する気はない。ただし、アライアンスが、『スリー・ストライク・アウト』規則を提唱しており、3回違反した場合には著作権者からの法的行為もありえるという制度を確立し、違法行為は検知可能だと言うことを違反者に知らせることがもっとも好ましい」と語っている。(Ratei)
■ソース
Dallas Buyers Club: Australians who illegally downloaded movie unlikely to receive large fine, says IP expert

http://www.abc.net.au/news/2015-04-08/australian-internet-pirates-should-not-be-alarmed/6378356

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