未検証幹細胞治療斡旋で患者から巨額巻き上げる

難病患者食いものの斡旋業者、警察に訴えられる

 ゴールド・コーストを根城に、難病患者にまだ検証されていない幹細胞治療を斡旋し、前金で$44,000を請求していた斡旋業者が背任搾取容疑で警察に告発された。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ミカエル・ウルフことマイケル・ファレリーは、多発性硬化症、がんなどを幹細胞治療で治すことができると難病患者を募っていた。

 国内幹細胞研究上部団体の「Stem Cells Australia」は、「ウルフの会社、Autologous Stem Cell Research Organisation (ASCRO)は、わらをもすがる思いの患者から金を巻き上げるあくどい活動をしているのではないか」と語っており、ASCROはすでにQLD州警察とQLD州保健オンブズマンに告発されている。

 ウルフの会社は、患者や医師に、「当社はこれまでに6万人の患者に治療斡旋を行い、何百万ドルもの利益を上げている」と称している。Stem Cells Australiaに寄せられた苦情の一つでは、ウルフはケアンズの患者をブリスベンに来させ、Autologous Stem Cell Treatment (ASCT)と称する会社で「自家移植」治療を受けさせている。ABC放送は、「このASCTは通常金持ちの中国人や台湾人の患者をオーストラリアの医師に治療させる活動を行っている」と伝えている。

 自家移植では、患者自身の血液を採取し、血液中の細胞に手を加え、それを再び患者の身体に注入するもので、ASCTのエリック・フー・ディレクターは、「再活性化にしか使えない」としているが、ASCROは、患者を集める時に、多発性硬化症、自己免疫障害、関節炎、関節痛、B型肝炎、白血病、胸腺がん、男女の不妊、勃起不全などに効くと宣伝していた。

 Stem Cells Australiaのマーチン・ペラ教授は、「患者は治療と称する行為のために巨額の代金を取られた上に、効能が実証されていないどころか有害かも知れない治療を受けている」と警告している。

 他人の血液や細胞を移植する場合には厳しい医療上の規制があるが、自家移植は規制が緩やかで、この事件も法律の抜け穴を利用している。医薬品管理局(TGA)では、自家移植に対しても厳しい規制を設けるよう求めている。
■ソース
Stem cell marketer Mikael Wolfe referred to police over ‘predatory’ approaches to MS, cancer patients

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