TAS州のウィスキー樽一般投資募集破綻に

警察も詐欺容疑捜査に動き出す

 TAS州警察は、ホバート北方のナントのウィスキー工場などを舞台に詐欺が行われていた容疑で捜査に動き出した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2008年、ホバート北方のナントの蒸留所でウィスキー蒸留が始まると900人近い投資家がウィスキー樽に投資した。この計画は、ナントが投資家を募り、蒸留して樽詰めしたばかりのウィスキーを樽で売り、そのまま工場で寝かせておき、熟成したウィスキーをナントが最初の投資額をかなり上回る額で買い戻すというもの。

 しかし、現実には何百という樽が空のまま放置され、さらには行方不明になった樽や秘かに中身が抜き取られた樽、あるいは代わりに低濃度のアルコールを詰めた樽などが見つかった。

 ABC放送の「Background Briefing」は、インサイダーは、帳簿のでっち上げその他企業としては不審なことはいくつもあったと証言しており、一時はオーストラリアのブティック・スピリッツともてはやされた事業が破綻していった過程を伝えた。

 2008年に投資家が買った価格は1樽$14,000。4年間の熟成が終わるとナントが年9.55%の利率で買い戻すとしていた。同番組は、ナント創設者のキース・バット氏を探した結果、ブリスベン郊外の富裕地区ハミルトンの140万ドルの自宅で見つけた。自宅は妻の名義になっており、バット氏は一切インタビューを断っている。

 2016年にはナントが財政的に難しいと伝えられ、投資家の間に不安が伝わったが、10月には上場企業のAWH社がナントを買い取ることが報道され、投資家は一安心した。しかし、AWH社が棚卸し監査をしたところ、700樽が初めから空っぽで、さらに消えてしまった樽もあり、その数も不明なら、秘かに詰め替えられ、瓶詰めされて秘かに売られた樽もあった。

 また、元社員は、「2014年10月にマネージャが退職した際に、『900樽が空のまま』ということを私に言ったことがある」と証言している。バット氏はこれに対して、「上質のウィスキーはつくるのに時間がかかる」としていた。

 しかし、ナントの注文を受けて仕事をした業者へのナント社からの支払いが遅れるようになり始めると騒ぎも大きくなってきた。一方、バット夫婦は12を超えるビジネスを設立し、複雑なネットワークを組み上げ始めた。その半分が管財人の手に渡るか、会社登録が取り消されている。また、2015年頃には会計士には帳簿の改ざんを要求し、税額を減らそうとしている。AWHが買収した時には滞納税額が100万ドルにも上っていた。

 2017年8月にはTAS州警察が詐欺容疑でナントを犯罪捜査し始めている。また、QLD州でもナントがアンガス牛をタネにして年率9.55%の利回りで投資を募っている。

 2017年3月AWHがナントを見放し、ボスウェル・エステートで独自の蒸留事業を行っている。
■ソース
Nant: Investors, staff, Matthew Hayden dudded in boutique whisky collapse

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