NSW州中部海岸地域で自閉症男性が農薬中毒

何者かが劇薬をソフトドリンク瓶に入れて放置

 2017年8月にNSW州中部海岸地域で公営のスポーツ・オーバルに来ていた重度の自閉症男性が障害者用手洗いで褐色の液体の入ったソフトドリンクの瓶を見つけて飲み、農薬中毒で瀕死の状態からようやく脱しており、男性の両親や毒性の強い農薬の禁止を求めているグループなどが再度事故の原因となったパラコートの禁止を呼びかけている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ダミアン・テリーさん(21)とケアラーはマングローブ・マウンテンのスポーツ・オーバルに来ており、テリーさんが手洗いから戻ってきて間もなく突然吐き始めた。テリーさんは急遽ゴスフォード病院に運び込まれ、治療を受けたが母親のジュリーさんは、「医者はよくもって12時間の命と言っていた」と語っており、最悪の事態を予想していた。

 回収されたソフトドリンクの瓶からは毒性の強い農薬のパラコートとダイコートが検出された。これらの農薬の瓶には必ず注意書きが表示されており、薬品名を表示することや「飲み物の瓶に保存しない」ことを警告している。

 結局命は取り留め、医師も奇跡的としているが、一時は臓器不全などの後遺症も懸念された。しかし、2週間の入院治療後、テリーさんは現在も回復を続けており、家族はパラコートの禁止を訴えている。

 パラコートは皮膚からも浸入し、解毒剤はない。日本でもかつて自殺や大量殺人、事故などで多くの死者を出したことがある。現在では濃度を下げた形での商品化でようやく認可されているが、EU諸国、中国、カンボジアなどで30を超える国では全面的に禁止されている。

 オーストラリアでは農薬獣医薬管理局で審理が続けられており、2018年に最終的な結論が出されることになっている。
 また、National Toxics Networkがテリーさん一家の「パラコート廃止要求」を支持している。環境汚染問題専門家は、「スポーツ・オーバルのような子供が入る施設で、ソフトドリンクの瓶に猛毒のパラコートを入れて誰でも触れるようなところに置いてあったことが信じられないような問題だ」と語っている。
■ソース
Accidental poisoning of NSW Central Coast man leads to calls for ban on toxic herbicide

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