シドニー都心部刺殺傷事件の被害者氏名判明

容疑者はテロ組織と無関係、精神障害、ドラッグ歴

 8月13日午後、シドニー都心部でナイフを持った男が暴れ、女性1人が死亡、1人が背中を刺されて負傷した事件で、被害者の氏名が明らかになった。また、容疑者はイスラムの祈りの言葉を口走っていたが、警察ではテロ組織との関係はまったく見つからないと発表している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 マート・ネイ容疑者(20)はシドニー都市圏西部ブラックタウンに近いマラヨン地区の民家に母親や姉妹と暮らしていたが、これまでにドラッグ、精神障害、ホームレスなどの履歴があり、事件直前には姉妹の1人とケンカしており、ブラックタウン病院救急病棟に行った後、行方が分からなくなっていた。そのため、家族が「行方不明。自傷のおそれあり」と届け出ていた。

 また、クライストチャーチ、エルパソなどの白人優越主義者のテロ事件ファイルをUSBスティックで所持し、事件時も、「アッラー・アクバル」と叫んでいたと報道されているが、警察ではネイ容疑者を以前から把握しており、イスラム教テロ組織との関係はまったくないとしている。

 事件後、クラレンス・ストリートのユニットで死体となって発見されたのはセックス・ワーカーをしていたミカエラ・ダンさん(24)で、容疑者とはアポイントメントで会い、首を刺されて殺されている。また、クラレンス・ストリートとキング・ストリートの角のパブ、ホテルCBDで背中を刺された女性はリンダ・ボさん(41)と発表されている。

 ダンさんの同僚は、「セックス・ワーカーは常に命の危険を感じながら仕事をしている。しかし、社会はセックス・ワーカーに偏見を持っており、報道でも名前を持った人間としてではなく、セックス・ワーカーという言葉で片付けている」と語っている。

 警察はネイ容疑者の自宅を家宅捜索しており、また、容疑者も膝の負傷で病院に移された。ネイ容疑者は、2019年初めにカンバーランド病院に入院、治療を受けていたが暴力をふるう徴候はなかったと伝えられている。

 NSW州政府のブラッド・ハザード保健相とブロンウィン・テイラー精神保健担当大臣が共同声明を発表し、「重大事件では、NSW州保健局が容疑者の医療や治療に関して審査をすることになっている。事件は警察の捜査が進められている段階であり、軽々に憶測したり、コメントすることは厳に慎まなければならない」と述べており、容疑者の精神障害歴やドラッグ歴、ホームレス歴と犯行を結びつける偏見に釘を刺している。
■ソース
Sydney stabbing rampage accused’s sister apologises, says brother ‘descended into insanity’
Sydney stabbing victim identified as 24yo Michaela Dunn

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