重度身体障害者殺害の両親自殺か

寛刑受けた事件から13年後に

 シドニー首都圏西部で、2001年に心身障害者の息子を殺害し、2007年に「グッド・ビヘイビャー・ボンド」という寛刑を言い渡されたレイモンドとマーガレットさんのサットン夫妻が自宅で遺体で発見された。

 サットン夫妻は、28歳の息子、マシューさんの殺害を認めたが、看病の疲れで精神的に参っていたことが認められて寛刑を受けた。しかし、2014年6月14日朝、ペンリスに近いレオネイの自宅で死んでいた。

 警察発表によると、マーガレットさんの兄弟が2人からの連絡が途絶えていることを案じ、警察に通報、同日午前11時頃、2人の住むプレザント・プレースの自宅の扉を押し破って入り、遺体を発見したもの。2人の死因はまだ明らかになっていないが、無理心中の線で捜査を進めていると発表している。近所の人の話として、2人は10年ほど前に現住所に転居したが、ひっそりとした暮らしぶりで近所づきあいもなかったとされている。

 マシューさんは生まれつき全盲でしかも知的障害があった。2人は看病の疲れや将来に対する絶望的な気持ちでストレスと抑鬱状態に陥り、マシューさんに致死量の睡眠剤を飲ませた時は心神耗弱状態だったとNSW州最高裁のグレアム・バー判事が認め、2人を刑務所に送ることは苛酷であり、また公共の利益にもそぐわないとして2007年に寛刑を言い渡した。バー判事は、「2人は28年間息子の介護を続けてきた。最後の行為も息子に対する愛情があったと認められる。2人はそれが正しい行為だと信じていたが、正しい行為ではなかった」と判決文で述べている。

 事件当時、レイモンドさんは、「息子がベッドで死んでいた」と証言したが、不審に受け止めた警察が盗聴器を仕掛け、2003年に2人が「安楽死と偽証」を話題にしている会話をつかんだ。2005年に2人は殺害を認めた。裁判で、2人の弁護士は、「どんな判決が下りようと、2人は生涯事実を背負って生き続けなければならない」と述べ、寛刑を求めていた。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る