労使仲裁機関、シドニー鉄道労働争議中止命令

「中止命令尊重するがスト権は瀕死状態」と労組

 シドニー鉄道労使の賃上げ交渉をめぐって1月29日に計画されていたシドニー鉄道の24時間ストと25日から始まっていた無期限超勤拒否戦術は、労使仲裁機関のFair Work Commission(FWC)が中止命令を出し、労組側は「FWCの決定を尊重する」として労働争議の全面中止を決定した。

 労組は同時に、「労働者のスト権はいまは瀕死状態」と批判している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この決定に答えて、シドニー鉄道経営者は、「労組員に対してはさらに提示を上積みする用意がある」と発表した。

 超勤拒否戦術は、シドニー鉄道が慢性的に運転士と車掌が不足していることが原因で経営者側は新人の養成を続けていると発表していた。また、労組側は、経営者が運転士と車掌の超過勤務を前提として11月の列車運行表改定を進め、労働強化を行ったと批判している。

 超勤拒否戦術の始まった1月25日にはシドニー近郊電車1,000本以上が運行中止になっていた。しかし、FWCは、「1月25日午後6時より6週間にわたり、いっさいの労働争議を中止するよう」命令しており、同日午後6時から戦術としての超過勤務拒否ができなくなった。

 NSW州政府側の弁護士は、「この労働争議で州の経済的損害は9,000万ドルにのぼると推定されている。また、市の活動が停止し、選択的外科手術もキャンセルしなければならなくなった」と主張している。

 FWCのジョナサン・ハンバーガー首席副委員長は、「ストは一般社会や鉄道で通勤通学している何千人もの人々の福利を危険に陥れている。また、国内最大のシドニー経済にも多大な損害を与えることになる」と判断を述べている。

 鉄道市電バス労働組合(RTBU)のアレックス・クラーセンズ州書記長は、「労組はFWCの命令を尊重し、労働争議を中止する。我々は遵法労組であり、常に法令に従う」と語った。

 しかし、全国労働組合上部団体の豪労働評議会(ACTU)のサリー・マクナマス書記長は「オーストラリアの労働者の基本的権利であるストライキ権が瀕死状態にある。鉄道労働者はすべての法規に従ってきたが、それでも時の大臣が超過勤務拒否中止命令を手に入れることができるようになってしまった。労働者が労働提供を中止する権利は基本的人権として確立してきたが、オーストラリアの労働者はその権利を奪われている」と批判している。
■ソース
Sydney train strike ruling by Fair Work Commission denies human rights: ACTU

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る