高級住宅地に残るシドニー最後の下水垂れ流し

住民の間で話し合いがつかずボークルーズの外洋に

 シドニー地域の上下水道を管理するシドニー・ウォーターが委託して行わせた未処理下水排水口に関する報告書によれば、シドニー東部の高級住宅地ボークルーズとダイアモンド・ベイに今も残る3箇所の排水口から垂れ流されている未処理下水は公衆衛生に重大なリスクとなっている。同局は、この報告書をもとに、3箇所の排水口の閉鎖に合意を取り付ける考え。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 シドニー地域の下水は1980年代から90年代にかけて改良工事が進められ、未処理下水の排水はこの3箇所を除いてすべて汚水処理場で処理され、処理済み汚水は海底に敷設された管で沖合に排出されるようになり、シドニー東部の海水浴場はほとんどが水泳に差し支えない水質になった。

 この最後まで残った下水排出口周辺は肉眼でも確認できる汚水の縞模様が沖合100mほどのところまで流れ、「病原体濃度、水泳、魚釣りに適せず」の警告板が立てられていても年間2000人ほどが未処理下水に直接触れていると報告されている。また、報告書は、「下水が未処理のため、固形物をろ過することもなく、周辺海底にも堆積している」としている。

 この排出口は1916年から36年にかけて建設されたもので、地域の10,500人の住民の下水をそのまま海に捨てており、その量は1日平均400万リットルにのぼる。

 未処理下水排出口がボークルーズ地区にだけ残ったのは、地元住民の意見が一致しなかったためとされており、住民は、下水溝ネットワークが改善されればこの地域の宅地開発が増えるのではないかとおそれたこと、また、住宅街地下に下水路を掘りめぐらすことで不動産価格が下がるのではないかとおそれたことなどが挙げられている。

 結局、4月から地域住民公聴会を通して、この3箇所の下水排出口を閉鎖する方向で話し合うことがきまった。シドニー・ウォーターでは、2019年末までに決定し、2020年以後に工事を始めたいとしている。
■ソース
‘Very high’ health risks from Sydney’s last ocean sewage outlets

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