首相のQ&Aボイコット軟化の兆し

政府のABC運営介入には批判も激化

 トニー・アボット連邦首相は政府閣僚に、「ABC放送のQ&Aには出席するな」と指令し、すでにバーナビー・ジョイスとマルコム・タンブル両大臣が出席予定を取りやめた。しかし、アボット氏自身がかつてはQ&Aにしばしば出演し、かつては「ボイコットすべきではない」と発言していたことが明らかにされた。11日には、アボット首相が、ボイコットを停止する条件として、「Q&Aをニュース部門に移せ」と要求する書簡をABCに送ったことが報道された。これに対しては「ABCの運営に対して前代未聞の政府介入で、ABC放送の中立公正の憲章に反するもの」として、アボット批判がさらに広まっている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 アボット書簡は、10日にABCのジム・スピーゲルマン会長に宛てて送られており、「Q&Aをテレビ部門からニュース・時事部門に移すこと」をボイコット解除の条件としている。9日にスピーゲルマン会長がこの案をアボット首相に送っていたことが明らかにされているが、ABC部内が決定することと、首相が要求するのではまったく事情が異なる。アボット書簡でABC経営陣、理事会がアボット政権に対する反発を強めており、「政府の機嫌を取るための決定を急ぐつもりはない」と公表している。理事会がこの問題を討議するのは8月6日に予定されており、政府閣僚のQ&Aボイコットはさらに1か月続くことになる。

 ABC元理事長のデビッド・ヒル氏やABC時事番組でABCの看板になっていたクエンティン・デンプスター氏らはいずれもアボット書簡を「ABCの中立公正を脅かす前代未聞の政府介入。ABCは断固としてアボット首相の要求をはねのけなければならない」と語っている。

 タンブル通信相は、以前から、「通信相は、ABCの編集内容に指示を与える権利も権限もなく、またそうすべきでもない」と発言しており、Q&Aボイコットにも反対して、出席を約束していたが、直前になってアボット首相指示に従い、出席を取り消したもので、タンブル氏の支持率にも今後影響が出る可能性がある。また、保守連合筋にさえ、「保守連合では同性婚法案も国家安全保障問題もそっちのけでTVショーに何週間もかけている。これがそんなに重要な問題だろうか?」とあきれる声が出ている。
■ソース
Q&A boycott: Tony Abbott prepares to back down on frontbench ban – with a catch

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