アボット首相、Q&Aボイコットを解除

ABC、番組をニュース部門に移行

 ABCテレビの討論番組「Q&A」は、元テロ容疑者のザキー・マラーが会場で参加し、連邦政府のスティーブ・チオボ議員と激烈な口論を演じたことから、トニー・アボット連邦首相が連邦閣僚に対して、Q&A出演禁止を指示していた。しかし、8月6日にABC放送が同番組をニュース部門に移行したため、アボット首相は、「ABC放送は政府の要求通りに行動した。よくやった」と発言、Q&Aボイコットを解除する姿勢を示した。副財相がボイコット解除が初のQ&A出演閣僚になる。しかし、討論番組であるQ&Aをこれまでの娯楽部門から、「公正やバランス」などの内容規制の強い「ニュース番組部門」に移行する提案はボイコット直後に浮かび上がっており、アボット首相が提案を支持する発言を行っため、「ABC放送の政府からの独立が損なわれる」という見解も出ており、今回の番組移行とアボット発言は、アボット政権のABC放送への政治介入として禍根を残す可能性もある。

 マラーは、政府公安職員殺害脅迫した容疑を「テロ行為」容疑として起訴されたが、テロ行為では無罪になり、脅迫行為で有罪になった。マラーは自分のソーシャル・メディアで、ISILなどのイスラム過激派を否定する発言を行っていたが、Q&A出演後はマードック系メディアなどではISILにつながる人物として描かれている。また、マラーはそれまでマードック系メディアに何度も取材を受けていた。Q&Aでは、マラーが客席から、「テロ容疑だけで豪国籍を剥奪されるようになれば、自分も起訴された段階で国籍を剥奪されていることになるのか?」と質問し、これに対してチオボ議員が、「お前のようなやつはすぐに国籍剥奪してやる」と答えるなどして、口論になった。番組放映以後、アボット政権閣僚とマードック・メディアがABC攻撃を続け、ABC内部と連邦政府の双方がABC放送の「偏向調査」を始めていた。

 ボイコット解除後初のQ&Aには、トニー・バーク労働党議員批判の先頭に立っていたジョッシュ・フライデンバーグ副財相、労働党シャロン・バード議員らが出席し、議員の出張公費問題が議題にのぼると見られる。バーク議員は、ブロンウィン・ビショップ連邦下院議長の出張公費問題を追及していたが、その直後に家族連れでビジネス・クラスを使ってウルルに出張していたことが、「規則内だが目に余る浪費」として追及されていた。
■ソース
Tony Abbott lifts ban on frontbenchers appearing on the ABC’s Q&A program

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