国民の狂牛症不安に譲歩
3月上旬、牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy、BSE、通称mad cow disease: 狂牛症)が発生した国からの牛肉輸入の10年間禁止が解除された。
この措置に対して、一部国民や肉牛生産者から不安の声が上がっていた。野党保守連合は、BSE発生国からの牛肉輸入のリスク分析、国民保護を定める議員法案を今週中にも議会に提出するとしていた。
野党案に対して、政府は、「牛肉は禁止措置以前に輸入されており、政府が輸入リスク分析をする必要はない。人間と家畜の健康を保護するためなら現行の規制で十分なはずとしてきた。しかし、8日になって、トニー・バーク農業大臣が、世論に譲歩し、「国民に安心してもらうためには長年用いられてきた手段でアセスメントを行わなければならない。閣僚からだけでなく、メディアを通じて国民の不安の声が寄せられてきた。食品安全には最大限の水準を維持することを国民が望んでいる。牛肉輸入規約を制定する前に、2年間、国民との協議や科学的試験調査などを含めた輸入リスク分析を実施する。オーストラリアに牛肉を輸出する国は、規約に沿って申請しなければならない」と語った。
バーク大臣は、国民の反対にあって政府案を翻したのではという批判を否定し、規約だけでも十分な消費者保護になっていたはずだ」としている。
しかし、全豪畜牛協議会は、「リスク分析は国際貿易の重荷になるだけ。保護貿易主義者の『不安を煽る』発言が今回のバーク決定に影響を与えてしまった」と落胆し、「豪と米の牛肉の貿易は豪の輸出超過だが、米が対抗措置として2年間の輸入猶予を決めれば私たちは上がったりだ」としている。
事実上、NZを除いたすべての国が輸入リスク分析の対象となる。(AAP)
