オーストラリア・カウンシル予算ばっさり

国内芸術界に深い亀裂残し

 2015年5月予算案時、保守連合連邦政権は、国内芸術への助成金を決めるオーストラリア・カウンシルの予算を何の予告もなく4年間に1億500万ドルカットしていたことが新しく見つかった文書で明らかにされた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 当時の担当はジョージ・ブランディス現法務長官で、当時、美術担当大臣だったブランディス上院議員は、カットした予算の大部分を大臣権限で動かせる「National Program for Excellence in the Arts (NPEA)」に回していた。

 この文書は、ABCニューズが情報の自由法に基づいて入手したもので、政府機関ではあっても助成金の割当を理事会で決めるオーストラリア・カウンシルの予算をばっさり削ることを通告していなかった。そのため、5月予算発表後にカウンシル理事長がブランディス議員に電子メールを送り、「2016年度に2770万ドルをカットしたいきさつと、National Program for Excellence in the Artsはどのような活動をするのか? オーストラリア・カウンシルがその活動を続けていくためにお答えいただきたい」として、回答を求めている。

 野党労働党の美術担当スポークスマン、マーク・ドレイファス議員は、「この文書は大臣権限の予算が行き当たりばったりに編成されたことを示すものだ。大臣がオーストラリア・カウンシルと何の協議もなく予算をばっさりと切り捨て、大臣権限の枠内に盛り込んだというのは政略としかいいようがなく、オーストラリア芸術界に途方もない、修復も難しい混乱を持ち込んだ。オーストラリア・カウンシルから持ち去った金をすぐにでも返還すべきだ」と語った。

 予算発表当時、芸術界からは予算について政府を批判する声が上がり、電子メールは、「反応は大きく、メディアからも問い合わせが殺到している」と述べている。また、2015年9月、マルコム・タンブル新首相は、ブランディス上院議員の芸術担当をはずし、ミッチ・ファイフィールド通信相の管掌に移した。また、ファイフィールド大臣は向こう4年間に3200万ドルをオーストラリア・カウンシルの予算に戻している。また、NPEAも「カタリスト・ファンド」に改組し、小規模な芸術プロジェクトへの助成に限るとしている。
■ソース
Australia Council budget cuts blindsided peak arts body’s executive, documents show

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