タンブル政権、7月2日選挙態勢含み

連邦上院、ABCC設立法案再度否決

 建築建設業界の労組の権限を抑制するためにジョン・ハワード保守連合政権時代に設立され、その後の労働党政権で廃止された豪建築建設委員会(ABCC)は、トニー・アボット前首相以来、マルコム・タンブル政権でも引き継がれている保守連合の「悲願」になっている。一方で、「腐敗とガバナンスの問題は労組だけではない。企業の行為も同様に監視する機関が必要」とする声も、度重なる銀行スキャンダルに伴って広がっている。そのような状況を背景に、連邦議会上院はABCC設立法案を2度にわたって否決した。これにより、タンブル政権は上下院二重解散総選挙に持ち込むことができるようになった。

 この日は連邦総督が議場で宣言して開会する特別連邦議会で、スティーブン・コンロイ労働党議員が、ピーター・コスグローブ連邦総督を、「保守連合の政治的駆け引きに使われた」と批判し、これをタンブル首相が批判し、また、ビル・ショーテン労働党党首もコンロイ議員を叱責するという一幕もあった。

 上院では、無所属諸派中右派のボブ・デイ、ディオ・ワン、デビッド・レイヨンヒエルムやニック・ゼノフォン議員が第二読会まで支持票を投じたが、労働党、緑の党、残りの無所属諸派議員のジャッキ・ランビー、リッキー・ミュア、グレン・ラザラス、ジョン・マディガン議員が反対し、法案は否決された。同法案は過去に一度上院で否決されており、今回で二度め。法案が二度否決されると、政府は同法案を廃案にするか、上下院総数解散・総選挙で国民の信任を問うかのいずれかを選ぶことができる。

 ABCC法案は、政府が掲げた労使関係二法の一つで、もう一つの「登録団体法案」はすでに上院で2度否決されている。タンブル政府は5月予算案を通常の5月10日から1週間前倒しにして5月3日に発表し、その後、5月12日までに二重解散総選挙を宣言しなければならない。この宣言をしなかった場合、通常選挙通り、下院総数と上院半数の改選になる。

 政府は、運送業界の運転労働者賃金労働条件を監視する「Road Safety Remuneration Tribunal」を労働党による労組優遇措置としており、また、零細・個人トラック業者も同制度に反対していることから、政府は、同Tribunal廃止法案をこの特別議会で通過させるまで二重解散宣言はしない見通し。
■ソース
Turnbull Government handed July 2 double dissolution trigger as Senate rejects ABCC bill

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