戦場を生き抜いて、平和な国で倒れる

増加する帰還兵士の障害と自殺

 2016年4月25日は、第一次世界大戦中に守るトルコ側と攻めるANZAC、イギリス、フランスなどの協商国側将兵に多大な犠牲を払って失敗した「ガリポリ半島上陸作戦」が始まって101年目にあたり、キャンベラの戦争記念館を含む各所で祈念式典やパレードが行われる。

 この日にあたって、いくつもの帰還兵士支援グループが、「国民は、戦場で倒れた者だけでなく、戦地から生還しながら故国で自ら命を絶った人々が増えていることを思い出してもらいたい」と訴えている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 過去20年では、現役退役の豪軍兵士の自殺者の数は戦場死者より多くなっている。自殺者は、2016年にはすでに少なくとも13人を数えており、その多くが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を原因としている。

 ブリスベンの精神分析医、アンドリュー・クー医師は、「帰還兵士の4人に1人がPTSDに悩んでいる。診断が早いほどリハビリテーションの効果がある」と語っている。また、ベトナム帰還兵協会QLD支部のダリル・シップ事務局長は、「サポートは早いほどいい。軍隊は、兵士に人の殺し方や命令に服従する訓練には何年もかけるが、市民社会に戻るための逆訓練は忘れている。それが問題の始まりだ。自分が我が家に戻ってきた時は自分が崩壊するように感じた」と語っている。

 また、クー医師は、「軍隊はPTSDを認めているが、臆病者と思われたり、除隊を命じられることを恐れるため、PTSDで助力を求めることをためらう若い兵士も多い。PTSDに悩んでいるからといって、役立たずになったわけではない」と語っており、国防省もPTSDは治療可能の発表しており、PTSDに対する認識普及の活動もしており、早めに相談するよう呼びかけている。
■ソース
Anzac Day highlights increase in soldier suicides

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