NSW州政府、腐敗汚職摘発委員会(ICAC)予算切り詰め

委員会の人件費9.5%カットで年度末までに職員削減

 マイク・ベアードNSW州政府は、公務員・公的機関の腐敗汚職を調査摘発する独立機関、腐敗摘発独立委員会(ICAC)の人件費予算を9.5%カットすることを発表した。

 この措置に伴い、ICACは予算危機に追い詰められており、年度末までに職員を16人解雇しなければならなくなると発表している。

 ICACは、政治家らの天下り先になっていた水道関係企業その他の腐敗汚職を摘発し、バリー・オファレル前州首相を含め、ベアード内閣と与党保守連合議員ら10人以上が辞職する結果になった。また、保守派政治家らに近いマーガレット・カニーン検事の取り調べを行っており、労働党からはベアード保守連合の報復措置との非難の声が挙がっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 政府の決定に、ICAC側は、「職員人件費予算が来年度からカットされるため、職員も現在の124人から103人に減らさざるを得ない」としており、メーガン・レイサム委員長は公務員組合のPSAに、「ICACは財政危機に直面しており、人員削減を余儀なくされる」と通知した。

 高裁が、「ICACにはカニーン検事を調査対象にする権限がない」と判決したことを受けて、ICACのデビッド・レビン監査官がICACの運営調査を命じられ、報告書に、「ICACの公開審理で喚問された人々の社会的評価が汚されている。公開審理をすべきでない」との勧告を盛り込んだ。その過程でレビン捜査官とレイサム委員長の対立がメディアを賑わせた。

 デビッド・イップ前ICAC委員長は、「予算カットはICACの捜査能力を著しく阻害する」と政府を批判している。また、PSAのスティーブ・ターナー副書記長は、「予算カットで、NSW州には完全に機能する腐敗汚職摘発機関がなくなる。過去5年間ICACは常に追加予算を必要としていたが、それというのも政治家や公務員の腐敗汚職の調査が山積みになっているからだ。今後腐敗汚職が減る見込みは全くない」と語っている。

 野党労働党のルーク・フォリー党首は、「ICACが労働党を調査した時には追加予算要求は拒否されなかった。今、ICACが自由党の捜査をすると予算をカットされる。自由党にはICACの権限と資源をつぶせという声がある。政府の決定はその声におもねるものだ」と語っている。
■ソース
NSW corruption watchdog forced to fire staff following State Government funding cut

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