オーストラリア、領海境界線引きで東チモールに敗訴

海底ガス油田賭けて東チモール独立以来の紛争

 東チモールの独立後、2006年に東チモールとオーストラリアが結んで協定で海底ガス油田の埋蔵区域でオーストラリアに有利なように領海境界線が引かれていたとして、東チモールはハーグの常設仲裁裁判所に提訴していた。これに対して、オーストラリアは、「同裁判所には当事案を担当する権限がない」と主張して争っていた。

 9月26日、常設仲裁裁判所はオーストラリアの主張を退け、両国が法廷で対等に争う可能性が開けていたことが報道されている。この問題については、両国の協定交渉段階でオーストラリアが出資して建てた政府建物にオーストラリアの諜報機関が盗聴装置を仕掛けていたことが暴露され、提訴段階で東チモール政府の弁護人を務めていた弁護士の事務所や自宅などに対して当局が捜査令状を執行し、裁判書類を押収した。弁護士らはこれを不服として書類の返還を要求する訴訟を起こすなど、両国政府が表に立って争っていた。

 また、マルコム・タンブル連邦首相も、2016年初めにも東チモール政府の「交渉やりなおし」の求めを拒絶していた。しかし、同裁判所は、これまで適用されたことのない公海法の条項を適用し、同裁判所には両国の紛争を仲裁する権限があるとした。また、同裁判所は9月19日に判決を下していたにも関わらず、今週になるまで連邦政府が秘匿していた。オーストラリアは大陸棚を根拠に境界線を主張していたが、東チモールは両国領土からの等距離線を境界とするよう求めており、それぞれの国の主張が海底ガス油田の大半を取り込むことになる。

 東チモール独立の英雄シャナナ・グスマンはこの判決を歓迎し、「東チモールは独立のために厳しい戦いを続けた。今はわが国が海陸共にその統治権を完全に持つまで戦いをやめない」と宣言した。

 豪政府は、ジュリー・ビショップ外相が、「東チモールが起こした仲裁手続きには拘束力はない。わが国は国際法に基づいて境界線を確定した」と東チモールの主張を退けている。

 この問題について労働党は、ペニー・ウォン上院議員が、「この判決に基づき、豪政府は公正かつ永久的な条件で東チモールとの紛争を解決すべきだ」と保守連合政府の態度を批判している。
■ソース
Australia loses attempt to knock out East Timor’s maritime boundary complaint

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