「恐怖、検閲、報復」国連特別報告者が豪政府批判

「公務員、内部告発者、一般市民に猛烈な圧力」

 オーストラリアの領外難民収容センターの問題を調査していた国際連合特別報告者は、「オーストラリアは人権擁護者に対する適切な保護制度を欠いており、人権活動家に恐怖、検閲、報復の風土を創り出している」と厳しく批判している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 マイケル・フォースト国連特別報告者は、2週間のオーストラリア国内調査を終え、ミッション終了声明を発表、「公務員、内部告発者その他の一般市民に対して猛烈な圧力をかけるために多種多様な対策が取られていることに非常に驚いた」と述べている。

 また、「何事も機密事項にする傾向、特に入国管理、国家安全保障の分野の傾向は、ジャーナリストや人権擁護派が政府機関官庁の責任を追及する力を妨害している。また、与野党が支持した通信メタデータ保存制度はジャーナリストやメディアにとっては深刻な問題になっている。また、「情報の自由」法に基づく資料開示請求も遅らされたり、妨害されることが多いという苦情を聞いたとしている。また、連邦の「Australian Border Force Act」の機密条件は、表現の自由など人権の原則と矛盾しており、法律の見直しが必要だとしている。

 フォースト特別報告者は、2015年にトニー・アボット保守連合政権のジョージ・ブランディス法務長官がジリアン・トリッグズ人権擁護委員の難民児童拘置問題報告書を「政治偏向」として、辞職を要求したことについて特に取り上げ、「政府高官が人権擁護委員に対して頻繁にあからさまに中傷する事態が起きていることには驚いた。政治家が、人権擁護委員が正当な任務を果たすことに対して、その信頼性を損ない、威嚇し、諦めさせようとしているように考えられる。トリッグズ教授に対する保守連合政治家の行為は調査委員会を設立すべきだ」と述べている。

 また、TAS、NSW、WA州などで、環境運動家などを対象とした「抗議行動を制限する」法制についても、「オーストラリア政府は国際的な義務に違反している」と批判した他、団体が、環境、難民、土地権利などの問題で政府を批判したり、要求したりすると活動資金を打ち切るアボット・タンブル保守連合政権の行為も強く批判した。

 フォースト特別報告者は、最終報告書をタンブル保守連合政府と国際連合人権委員会に提出するが、オーストラリアは人権委員会に委員を送り込みたがっており、特別報告はオーストラリアにとって不利に働く可能性がある。

 ブランディス長官広報官は、「フォースト氏の報告は人権擁護委員会についてバランスの取れた見解を示していない」と反論している。
■ソース
‘Fear, censorship and retaliation’: United Nations rapporteur slams Australia’s human rights record

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