人権委員会と差別禁止法に連邦政府の攻撃続く

トリッグズ委員、タンブル「調査委員会」発言に反論

 QLD工科大学の先住民族専用に割り当てられた設備をめぐってこれを揶揄した学生3人に対して先住民族職員が人権委員会に訴え、委員会はこれを審査したが立件は難しいとして打ち切った。その後、職員が連邦巡回法廷に持ち込んだが、法廷は「勝訴の見込みなし」として門前払いした。

 これを受けて、マルコム・タンブル連邦首相がABCラジオで、「人権委員会が学生3人を提訴し、連邦裁がこれを門前払いしたのは大失態。人権委員会は法廷の時間と政府の金をムダにした」と発言した。

 これに対して、人権委員のジリアン・トリッグズ教授は、「首相発言は人権委員会の機能に対する無知をさらしたもの。委員会は法的措置を起こすこともできなければ阻止することもできない。委員会はこの裁判にまったく関わっていない」と反論している。しかし、タンブル首相は、あくまでも人種差別禁止法の第18条c項の改廃を立法措置で推し進めることが伝えられている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 トリッグズ教授はさらに、「首相は、人権委員会が提訴したかのようにいっており、非常に誤解を与えるような発言だ。巡回法廷判事は人権委員会について一言もいっていないし、首相発言のような極端な挑発的発言もしていない」と厳しく反論している。

 また、オーストラリアン紙を発行するニューズ・コープ社の新聞マンガ家、ビル・リーク氏が、マンガが先住民族に対する中傷として批判を受けている問題の扱いに対しても人権委員会が批判を受けており、これに対しても、トリッグズ教授は、「ニューズ・コープと一部の政治家が意図的に法律の主旨を誤解させる攻撃を行っている。人権委員会は年間2万件を超える事案を扱っており、この2つだけがニューズ・コープと政治家に問題にされているのは異常だ。政府が望んでいるように、第18条c項を削除すれば、ユダヤ系、中国系、ベトナム系、ムスリム系市民やその団体から圧倒的な政治的反撃が起きるだろう。なぜ、首相は未だに差別禁止法を改定したいのか理解できない」と語っている。

 QUTの問題については、「職員の訴えに対して、双方の話し合いと和解を求めたが、1年ほど過ぎて和解ができないと判断し、委員会はその事案の扱いを打ち切った。その後、提訴するかどうかは当事者の一存であり、委員会はまったく無関係だ」と説明している。
■ソース
Gillian Triggs hits back at ‘deeply misleading’ Malcolm Turnbull over 18C claims

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