「豪大使館を東エルサレムに移転せよ」とアボット元首相

ビショップ外相が反駁、パレスチナ大使が「妄言」と批判

 トニー・アボット保守連合連邦下院議員は、連邦首相の座を追われた後も活発に超保守的な演説や発言の活動を続けており、新年には、「駐イスラエル豪大使館をテルアビブから東エルサレムに移転せよ。また、パレスチナ自治政府への援助を停止せよ」と発言した。

 これに対してはジュリー・ビショップ外相から反駁が出ており、駐豪パレスチナ大使も、「何の根拠もなく、何の役にも立たない妄言。豪政府がそんなことを実行すればムスリム諸国から制裁と非難を受けることになる」と批判している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 アボット議員と同様の主張は、保守連合内でも超保守とされる議員に共通しており、また、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領も選挙期間中に公約している。

 国連安全保障理事会でニュージーランドの共同提案で、イスラエルの右翼がパレスチナ領土に家屋を建てて居座る活動を続けており、イスラエル政府がそれを支援していることに対して批判し、侵略活動を即時停止するよう要求する動議が、アメリカの棄権で成立した。これを受けてビショップ外相が、「オーストラリアは安全保障理事会に投票権はないが、決議には反対」と政府の政策を明らかにした。

 イスラエル政府は、エルサレムをイスラエル国家の不可分かつ永遠の首都としているが、1967年戦争でイスラエルが東エルサレムを併合したことを国際法違反行為と見なす国は多い。

 保守系雑誌スペクテーター・オーストラリアに寄稿した論説でアボット議員は、「パレスチナ自治政府がテロリストとその家族に年金を払っている間は自治政府に対する年間4,000万ドルの援助を停止せよ」とも書いており、イスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人やその家族に言及している。

 クリス・ボウエン労働党党首代理は、「パレスチナ自治政府への開発援助は透明性と責任性が必須であり、同時にイスラム過激主義を抑え、和平を推進する上で不可欠だ」として、アボット発言に反駁している。
■ソース
Julie Bishop and Palestinian ambassador hit back at Tony Abbott’s Israel-Palestine comments

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