東チモール、オーストラリアとの海底石油ガス協定破棄

ハーグの常設仲裁裁判所で一旦破棄し、交渉しなおし

 東チモールはオーストラリアとの海底石油ガス協定を破棄することを決め、オーストラリアは東チモールが破棄の権限を持つことを認めた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 オーストラリアは1989年にインドネシアと「チモール・ギャップ条約」を結び、チモール海底石油・ガスの分配を定めた。しかし、オーストラリアの指揮の下に国連による東チモール独立の手続きが始まり、2002年に東チモールが独立するとチモール海底資源もオーストラリアと東チモールの間の問題になった。東チモールはオーストラリアとの中間線を国境とすることを主張、オーストラリアは大きく東チモール寄りになる大陸棚説を主張した。

 2006年の条約では領海境界線は暫定的に決められ、それに基づく400億ドルと推定される海底石油・ガス採掘権もそれに基づいて決められた。しかも、協定では最終的な境界線の交渉は50年間行わないことも盛り込まれていた。

 しかし、その後になって、オーストラリアの資金で建てられた東チモール政府の建物に盗聴器が仕掛けられていたことが暴露され、両国交渉中の2004年にオーストラリアの情報機関が東チモール政府部内の情報を盗聴していたとして、東チモール側が条約の無効を主張してハーグの常設仲裁裁判所に訴えていた。しかも、その訴訟作業の過程でオーストラリア政府がオーストラリア国内にあった東チモール政府弁護士事務所や自宅を連邦警察官を使って家宅捜索し、訴訟文書などを押収するという事件も起きた。

 1月9日、両国が、「3か月の移行期間の後、Treaty on Certain Maritime Arrangements in the Timor Seaを無効とする」共同声明を発表した。今後、両国は永久的な領海境界線確定交渉を始めることになる。これまでオーストラリア政府は「大陸棚を基礎とする境界線は譲れない」としていたが、仲裁裁判所での交渉を経て、態度を変えたことがうかがえる。
■ソース
East Timor tears up oil and gas treaty with Australia after Hague dispute

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