政府、2歳で移民してきたブリスベンの女性を国外追放

故国に身よりなく、豪に孫もいるのに犯罪歴をとがめられ

 2歳で家族に連れられてオーストラリアに移民し、50年間暮らしてきたクロアチア出身の女性がその犯罪歴のためにクロアチアに追放されようとしている。アレックス・ホーク副移民相は、女性の在留許可を拒否した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 マリアンヌ・カリッチさんは、当時のユーゴスラビアから移民してきており、クロアチア語をまったく話せない。違法薬物関係で有罪判決を受けたカリッチさんはシドニー南西部のビラウッド入管収容所に収監されていたが、2017年3月1日には国外追放通知書を渡された。クロアチアに送還されてもカリッチさんには身よりもなければ経済的援助や医療援助を受けられる見込みもない。

 カリッチさんはオーストラリアから出たことがなく、オーストラリア国籍を取っていなかった。2歳で渡ってきて成長して犯罪や薬物に手を染めるようになった。しかし、2014年に新法が定められ、永住権だけで豪国籍を取っていない者が1年以上の懲役・禁固刑を受けた場合、その国籍国に強制送還されるようになった。これまで、自動的にオーストラリアに永住できるニュージーランド人がこの条項でニュージーランドに強制送還されている。

 カリッチさんのケースではホーク副大臣はカリッチさんが健康を害している上に薬物使用という問題を抱え、クロアチアで生きていくことが極端に困難であることを認識しており、文書にもはっきりと書いている。

 カリッチさんは、酒乱の父親の暴力から逃れるため、14歳でブリスベンの実家を逃げ出した。姉のカトリーナもすでに家出しており、16歳で結婚していた。そのカトリーナは結婚する時にオーストラリア国籍を得ており、後には両親の国籍も取得している。しかし、カリッチさんはその時には姉との連絡がなく、ビザや市民権ということを考えたこともなく、オーストラリア人のつもりで暮らしてきた」と語っている。

 カリッチさんのジェーソン・ドネリー弁護士は、「ビザ取消を撤回しないという副大臣の行為は道徳に照らしても道理が通らない」と語っている。

 また、「マリアンヌは、その薬物中毒をオーストラリアで身につけた。その犯罪をオーストラリアで学んだ。現実に彼女のすべてがオーストラリアで暮らして身につけたことだ」と語っている。カリッチさんには2人の孫がおり、姉のカトリーナさんは癌に冒され、母親はナーシング・ホームにいる。また、死別した夫の遺体は未だに安置所にあり、カリッチさんは夫を埋葬することも許されていない。
■ソース
Immigration Department set to deport grandmother who arrived in Australia as a two-year-old

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