NSW州政府、テロリスト専用刑務所建設計画

対テロ専門家は「テロリスト養成施設になる」と警戒

 NSW州政府は、過激派受刑者を一般受刑者から隔離するテロリスト専用重警備刑務所の建設計画を発表したが、テロ対策専門家は、過激派受刑者だけを集めた重警備刑務所はむしろテロリスト養成施設になる可能性があると警告している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 州政府の考えでは、この重警備刑務所は、過激派を一般受刑者から引き離し、またテロ関連犯罪で服役する新しい受刑者が今以上に過激化することを防ぐ目的としている。

 しかし、オーストラリア国立大学(ANU)の犯罪学者で過激化に詳しいクラーク・ジョーンズ博士は、「そういう刑務所はテロリスト養成施設になる可能性がある。これまでの研究で、過激派受刑者を一般受刑者と混合して収容した方が、過激派同士を1箇所に集めるより、過激派受刑者が変化する可能性が高いことが突き止められている。むしろ、脱過激化プログラムの編成と受刑者の配分を考えた方がいい。既決囚、拘留中、年齢層、その他様々な違いがあり、それをすべてテロリスト専用刑務所に入れてしまうことの方が危険だ」と述べている。

 グラディス・ベレジクリアン州首相は、向こう3年間に4,700万ドルの予算を計上して建設計画を進める考えを明らかにしており、「テロ活動を一掃するため、国内でももっとも厳しい姿勢を貫く考えだ」と語っている。

 テロリスト専用刑務所は、ゴルバーン刑務所重警備区画の一角に建設され、収容受刑者数は54人となっており、ベレジクリアン州首相は、「この刑務所は他の刑務所や情報機関とも密に情報交換を進める」と語っている。

 ピーター・セベリン州矯正局長は、「受刑中に過激化した受刑者が4人から5人いる。ごく少数であり、今後もできるだけ少数に抑えなければならない」と語っている。

 一方、連邦政府の移民国境警備相のピーター・ダットン氏は、NSW州政府の計画を歓迎しているが、ジョージ・ブランディス法務長官は、「刑務所内でテロリストが互いに交わることがないように設計されるなら悪くない計画だと思うが、一抹の不安が残る」と語っている。
■ソース
Plan to build prison for extremist inmates ‘will create fertile ground for militancy’

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