NSW州の障害者支援団体存続の危機

州が管轄を連邦に返上し、資金も同様に

 NSW州政府は、障害者政策の責任を連邦政府に返還することになっており、これまで州財政で負担していた障害者支援団体の活動資金が大幅にカットされる見込みで、そうなれば現在ある団体の半分が活動資金難で消滅することになる。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 NSW州の50ほどの障害者支援団体が州政府から年間総額1,300万ドルの資金援助を受けている。そのような団体は、輸送システムのハブ設置、障害者が利用できる建物、州の医療機関において知的障害者の予防可能な原因での死亡があまりにも高率などの問題と取り組んでいる。

 しかし、2018年7月より、州政府は障害者政策の支出分を全国障害者保険制度(NDIS)に移すことになる。この制度では資金は障害者に直接交付され、障害者の利害を代表する支援団体には支払われなくなる。

 支援団体協議組織「NSW Disability Advocacy Alliance」の主宰者、セレナ・オーブンズ氏は、「NSW州政府は今年の財政黒字を45億ドルと発表しているが、障害者の社会参加を支援する1,300万ドルを工面することができないというのはあまりにもバカげている。州民の20%という障害者にはサポートする価値がないといわんばかりだ」と語っている。そのAllianceも資金が枯渇すれば解散せざるを得なくなる。

 知的障害者の利益を守る活動を60年間続けてきた「Council for Intellectual Disability」のジム・シンプソン氏は、「知的障害者の利益を提唱してきたこの団体の活動資金は全面的にNSW州政府からの補助金だけだった。Councilが解散すれば知的障害者の声は届かなくなる。知的障害者が主張したり、公開の討論をすることは簡単ではない」と語っている。

 NSW州北部海岸地域のグラフトンからツイードまでの地域で唯一の独立障害者権利団体「Disability and Aged Information Services」では、「州政府からの金は活動資金の3分の1だが、その金が入らなくなれば活動を停止するしかない。これまでやってきたプロジェクトはすべて停止しなければならない」と語っている。
■ソース
NSW disability groups face wipeout, new figures show

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