豪市民権法厳格化改定案上院で流される

「国民も不合格になる大学水準英語がテスト問題」

 10月18日夜の連邦議会上院で市民権法制厳格化改定法案が流され、審議もされない。ピーター・ダットン移民相は、「政府はあきらめない」と語っているが、新しい移民が4年オーストラリアで過ごしてから市民権を取得するために受けなければならないテストで、オーストラリア生まれの国民でさえ不合格になるような大学水準の英語や主観的な「オーストラリアの価値観」を出題すること、また、市民権を申請できるまでの在住期間を延長することには批判も多い。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同法案は上院で労働党、緑の党、ニック・ゼノフォン・チームの反対票で否決された。

 また、ダットン大臣は、「市民権申請手続きにおいてオーストラリアの価値観を中心に置くこと、また、オーストラリア市民権の価値を高めることが目的」としている。

 3党は法案に締め切りを設け、ダットン大臣の取引にも最後まで応じず、法案は上院の審議予定から削除された。

 ダットン大臣は、「政府は諸派無所属との交渉を続ける」意図を明らかにしているが、2017年4月20日以降に提出された市民権申請はすべて現行法制に基づいて審理される。

 法案反対を主張してきた労働党議員は、「移民法制改定法案は移民コミュニティに不安と怒りをかきたてている」と語っており、ニック・マキム緑の党上院議員は、「改定法案は国民分断的であり、また移民に対する憎悪が込められている。ピーター・ダットンはオーストラリアの多文化主義を捨て去ること、オーストラリア社会を彼の憎悪に満ちたイメージで作り替えようとしている」と批判している。

 これに対して匿名の自由党議員は、「これは人種問題ではない。移民が英語を話せるようにすることと帰属意識をたかめることが目的だ」と反論している。しかし、同時に、「この法案は、メルボルンやシドニーのように移民の多い地域で保守連合支持率を落とす結果になっただろう。この法案を復活させる気分は起きないのではないか」と語っている。

 テストの英語水準を引き上げることについて専門家は、「英語学習の時間や余裕を持たない社会的弱者の市民権取得のチャンスを奪う結果にしかならない」と批判している。
■ソース
Australian citizenship changes blocked in enormous relief for immigrant family

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