タンブル首相、難民のNZ受け入れ申し出を拒否

NZ新首相との会談で両国の食い違いが明らかに

 オーストラリアの領外難民収容センターはマヌス島の収容所がパプア・ニューギニア(PNG)政府によって閉鎖されたが、収容者は見通しのない移転を拒否してセンター跡に住み着いている。また、国連は同センター跡の難民保護の責任はオーストラリアにあるとしており、あくまでも強硬な態度を貫くオーストラリア政府のピーター・ダットン移民相との間で膠着状態になっている。

 先日にはNZ労働党政権のジャシンダ・アーダーン新首相が、「マヌス島の難民を一部NZが引き受けてもいい」と声明していたが、オーストラリアを訪れたアーダーンNZ首相との会談で、マルコム・タンブル豪首相はNZ政府の申し出を拒否する考えを明らかにした。
 11月5日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 NZの難民引き受けはジョン・キー前国民党政権が申し出ていたもので、タンブル首相はアーダーンNZ首相に感謝の意を伝えながらも、アメリカとの難民交換協定に専念すると語っている。ただし、将来にNZ政府の申し出を受け入れる余地も残している。

 ビル・ショーテン野党労働党党首は、「政府はNZ政府の申し出を受け入れるべきではないか」と発言した。これに対して、ピーター・ダットン移民相は、「ショーテン氏は党内左派におもね、安っぽい政治的大向こう受けを狙っている」と反論している。一方、緑の党のリチャード・ディ・ナタリ党首は、「マヌス島は人道上の破局。NZ政府ははるかに人道的に対応しようとしている」と豪政府を批判し、ダットン移民相を「テロリスト」と呼んだアダム・バント議員を擁護し、「アムネスティ・インターナショナルも、ダットン大臣は人々を拷問するような制度を支配していると指摘した。オーストラリア領外難民収容センターで起きていたのは難民への拷問だ」と語った。

 さらに、5日には元国防相経験者で保守連合の右派バックベンチ議員のケビン・アンドリューズ氏が、「NZ政府の申し出は真剣に考慮すべきだ。現在、この問題はにっちもさっちもいかない状態だ。アメリカの受け入れ枠より大勢の難民がセンター跡にとどまっている。どういう対策を取るにせよ、人間密輸業者を活気づかせることだけは避けなければならない」と語った。
■ソース
Malcolm Turnbull not accepting Jacinda Ardern’s offer to resettle asylum seekers in NZ ‘at this time’

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