VIC州議会で自発的援助死法案が上院通過

北部準州(連邦が破棄)に続いて国内第2の法案

 オーストラリア国内では尊厳死法は過去に北部準州(NT)で制定されたことがあるが、準州は独自の憲法を持たず、連邦直属の法体系下にあるため、時のジョン・ハワード連邦首相が直ちにNTの法律を破棄してしまった。しかし、州憲法を持つVIC州で立法化された場合、連邦政府は簡単に州法を破棄することはできない。

 11月22日、VIC州議会上院は28時間のマラソン審議の末に「Voluntary assisted dying(自発的援助死)」法を可決した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 自発的援助死法に基づいて死を選ぶ末期患者は、2つの互いに独立した機関の医学的審査を受けなければならず、その審査を受けるためには、患者の残された生存期間が6か月以下で耐えがたい痛みに苦しんでいること、健全な判断力を持っており、18歳を過ぎていること、また、VIC州に12か月以上居住していることが条件になる。

 審査で自発的援助死を認められれば自殺用の薬液を購入することができるが、投与は自分でやらなければならない。ただし、両手がマヒしているなど特別なやむを得ない理由がある場合には医師が致死量を投与することができる。

 ダニエル・アンドリューズVIC州政府の提出した法案は修正案を加えられ、最終的に40議席の上院で22票対18票で通過した。

 投票は各党とも党議拘束をはずして自由投票としており、涙を流しながら投票した議員もいると伝えられている。

 賛成票を投じたのは与党労働党11人、自由党4人、緑5人、理性党のフィオーナ・パッテン、Vote1地域雇用党のジェームズ・パーセルとなっている。

 上院で修正案が加えられたため、下院に戻されて再度審議され、下院で賛成多数を受けて初めて立法化されるが、下院では47票対37票で通過している。

 立法化されれば、2019年より、耐えがたい痛みの患者は医師の援助を受けた自殺を選ぶことが可能になる。また、この法律の悪用を防ぐため、68点の「セーフガード」条件が設けられ、すべての自発的援助死が特別の審議会で審理される。
■ソース
Voluntary assisted dying bill passes Victoria’s Upper House, state set to make history

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