アボット平議員とモリソン財相が発電コスト論争

財相「石炭火力新設は既存の2倍のコスト」

 保守連合連邦政権の中でも石炭産業温存や石炭火力発電所の新設を主張する超保守議員らが、「モナシュ・フォーラム」と名乗るグループを設立したが、早速退役軍人同盟(RSL)からは、「オーストラリア軍の英雄ジョン・モナシュの名前を政治的に利用することは許されない」と批判を受け、さらには、技師としても傑出していたモナシュの子孫からも「馬車の時代に戻そうとする団体にモナシュの名前を使わないでもらいたい」と、名前の変更要求が出ている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 フォーラム推進者の1人、トニー・アボット保守連合下院議員は、「新設石炭火力発電所の発電コストは既存石炭火力発電所よりも低くなる」と主張している。

 これに対して、スコット・モリソン財相は、「新築石炭火力発電所の発電コストは既存石炭火力発電所の発電コストの2倍もかかる」と反論していた。その背後には、エネルギー企業、AGL社が、老朽化したリッデル火力発電所の保守維持は採算に合わないとして閉鎖を決めており、アリンタ・エナジー社が同火力発電の買収を持ちかけていることがある。

 アボット、エリック・アベツ、ケビン・アンドリュー、ジョージ・クリステンセン、クレーグ・ケリー、バーナビー・ジョイス各議員らが設立した「モナシュ・フォーラム」は、マルコム・タンブル首相に対して、石炭火力発電所を新設するよう要求しており、これに対して、モリソン大臣は、「既存の火力発電所はすでに償却期間が過ぎているため、時間あたり$30から$40で電力を売ることができるが、新設の高効率低排出(HELE)発電所でも時間あたり$70から$80の電力価格になる」と反論した。

 これに対して、シドニーの2GBラジオに出演したアボット議員は、「新設石炭火力は新設ガス火力よりも発電コストが低い上に、再生可能エネルギー発電より信頼性が高い」と発言した。

 ジョン・モナシュ氏がVIC州のラ・トローブ・バレーに大規模な褐炭火力発電所を設立したことから、同グループはモナシュ・フォーラムを名乗っているが、ラ・トローブ・バレーの発電所は「国内で最もダーティな発電所」の汚名を受け、次々と閉鎖された。モナシュ氏の子孫は、「当時は石炭火力発電が最先端だったが、もし、ジョン・モナシュが現代に生きていれば、風力発電や太陽光発電のテクノロジーを推進したことだろう」と発言している。
■ソース
Tony Abbott dismisses Scott Morrison’s warning about new coal-fired power plants

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