「博物館のパラマッタ氾濫原移転はクレージーだ」

治水専門家がNSW州政府の計画に「洪水」批判

 マイク・ベアード前NSW州首相時代に突然発表された「パワーハウス博物館のパラマッタ移転」には、「なぜ?」という反応から、「保守連合州政府は現在の敷地を売って売却益で州財政黒字脚色するつもりか」など様々だったが、州各界の反対の声が高まってきている。州議会で緑の党が、「博物館のパラマッタ移転予備調査報告の公開」を要求したのに対して、与党自由党議員1人が緑の党の要求支持に回るなど次第に波乱が高まっている。

 4月12日付ABC放送(電子版)は、治水専門家の意見として、「パラマッタの博物館移転予定立地は20年に一度程度の洪水で浸水する場所。そんなところに博物館施設を建てるのはクレージーだし、万が一の時に人命に関わることも起こりえるし、貴重な博物館所蔵品を水没させることにもなりかねない」と州政府計画批判を報道した。パラマッタの川沿いの博物館移転予定地が氾濫原であり、地下深くに所蔵品倉庫を伴う博物館の立地としては不適切という意見は以前から出ていたが、専門家が明言したことになる。

 水文学者のジョン・マッキントッシュ氏は、2011年にQLD州のロッキヤー・バレーのグランサムで起きた洪水の調査で顧問を務めたこともある洪水関係の専門家で、州議会上院の「パワーハウス博物館移転問題」調査委員会に意見書を提出しており、移転問題に批判的な意見書の一つ。

 マッキントッシュ氏は、「2015年、予定地の洪水水位は2.8mに達した。しかも洪水時には大量の水が猛烈な速さで流れ下り、博物館の施設を洗うことになる。私の最大の懸念は市民の安全だ。博物館は一般市民が関心を持つところであり、観光アトラクションだが、それを氾濫原の中に建てようとしている。そういうところに人を集めようとしている。洪水が起きる状況を熟知しているエンジニアとしては、洪水の危険があるところに人を集めることは100%避ける」と述べている。

 また、20年に一度の規模の水位4m以上の洪水で浸水する地域を示す既存の地図では、パラマッタ市街地の川に近い区域の道路がすべて浸水することになる。
■ソース
Powerhouse Museum move to Parramatta floodplain is ‘crazy’ and ‘risks loss of life’, flood expert warns

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