「10年で234人が死亡」とVIC州首相が発言
ダニエル・アンドリューズVIC州首相は、選挙公約として、「労働災害死亡事故に関して、経営者の怠慢が原因と認められた場合、懲役最高20年の罰則付きで経営者の刑事責任を問う新条項を追加する」と語った。
ABC放送(電子版)が伝えた。
また、労働災害死亡事故で経営者の刑事責任が立証された場合、最高1,600万ドルの罰金も科せられることになる。
VIC州労働党代議員大会の席での発言で、アンドリューズ州首相は、「VIC州だけでも過去10年間に234人が労働災害で死亡している。この新条項で経営者に対して厳しい警告となることだろう。この条項が実際に用いられることがないように望んでいる。むしろ、この条項によって職場の風土が変わることを期待している」と語った。
アンドリューズ州首相は、「この条項は直接の被雇用者の労働災害だけでなく、業務現場に来ていた納入業者、定期保守検査担当者、あるいはたまたま現場を通りがかった一般市民の死亡事故にまで拡張することも考えている」と語った。
2013年、メルボルンのスワンストン・ストリートの建築現場で広告掲示板とその掲示板を固定してあったレンガ壁が突然倒壊、たまたま現場を通りがかった通行人3人が下敷きになって死亡した。
この事故で、2016年には広告掲示板を設置したオージー・サインズ社が25万ドルの罰金、それに先立つ2014年には建築を請け負っていたグロコン社がやはり25万ドルの罰金を言い渡されている。
建設林業鉱業エネルギー労働組合のジョン・セツカ州書記長は、州首相の公約に胸を打たれた、「素晴らしい政策だ。人命を守るためにかなりの効力を発揮するだろう。誰も仕事に行ったまま帰らない人になるということがあってはならない。現在の法制ではいくつもの抜け道があり、死亡事故があっても経営者が裁判にもかけられない状況がある」と語っている。
一方、デビッド・ホジェット野党自由党副党首は、「業務災害はあってはならないことだが法案の詳細を見るまで何ともいえない」と語っている。
■ソース
Daniel Andrews promises industrial manslaughter to become new criminal offence