アニング連邦上院議員の初演説で政界大荒れ

ナチスの「最終解決」使って白豪主義の評価

 8月14日の連邦議会上院での初演説でフレーザー・アニング議員が、「ムスリムのオーストラリアへの移民を禁止し、ヨーロッパのキリスト教徒を優先する移民制度に戻れ。移民問題の『最終解決』には大勢の国民が賛成票を投じる」と発言した。「ヨーロッパのキリスト教徒優先の移民制度」はかつての白豪主義に他ならず、また、「最終解決」はナチス・ドイツで障害者、ロマ、同性愛者、さらに600万人のユダヤ人を虐殺する「制度」の呼称だった。

 アニング議員はポーリン・ハンソン・ワンネーション党を脱党し、ボブ・カッターのオーストラリア党に入党し、比例代表制で上院に議席を得た。のこの初演説に対しては与党保守連合、野党労働党、緑の党、さらにデリン・ヒンチ無所属議員からアニング議員の古巣、ポーリン・ハンソン議員からも批判の発言が出た。しかし、党首のカッター議員は、「すばらしい演説だった。あの発言を1000%支持する」と完全に擁護している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 アニング議員は、「移民はすべてキリスト教ヨーロッパを基礎とするオーストラリア社会に同化統合しなければならない。それができないムスリム移民を禁止し、移民受け入れを大幅に縮小しなければならない。これ以上ムスリムを我が国に入れない理由は疑いようがなく自明のことだ」と演説した。

 さらに、「すでにオーストラリアに来ているムスリムの犯罪率、福祉依存率、テロリズムは、移民グループの中でも最悪だ。すべてのムスリムがテロリストというわけではないが、ほとんどすべてのテロリストがムスリムだ。なぜ、そのような連中を受け入れるのか?」として、労働年齢のムスリムの56%は就業していないと語ったが、アニング議員の演説の根拠となる数字の出所は不明でしかも間違っている。

 また、「国民投票で、第三世界の英語を話さない移民を受け入れるのか、ゴフ・ウィットラム首相以前のヨーロッパ系移民時代に戻るのかを決めようではないか」と語っている。

 各党議員がアニング議員発言を否認する発言をしているが、「アニング発言はポーリン・ハンソン発言を強化したようなものだ」とデリン・ヒンチ無所属議員が発言したのに対して、ハンソン議員は、「私はアニング発言を支持しないし、アニング議員は私の党とは何の関係もない。ボブ・カッターの名前を出してはどうか。誰もカッターのことを言わないではないか」と反論している。

 かつてジョン・ハワード元首相が、「アジア人移民が多すぎる。減らすべきだ」と発言したことがあり、ハンソン議員も、「このままではオーストラリアはアジア人に飲み込まれてしまう」と発言している。
■ソース
Senator Fraser Anning gives controversial maiden speech calling for Muslim immigration ban

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