モリソン首相、年金受給開始年齢引き上げを撤回

モリソン蔵相も推進し、国民の不評を買った70歳案

 9月5日、スコット・モリソン連邦首相は、年金受給開始年齢を現行の67歳から70歳に引き上げる案を撤回すると発表した。発表は9チャンネル・テレビのモーニング番組で行われたもので、閣議の了承も得ていない。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 年金受給年齢はすでに65歳からの引き上げが始まっており、2年ごとに6か月ずつ引き上げられている。2014年にジョー・ホッキー財務相が、社会の高齢化による財政負担を理由に年金受給開始年齢を67歳から70歳に引き上げる計画を発表している。しかし、5日の朝には、モリソン首相が、「年金受給開始年齢を引き上げる必要はなくなった。2023年に年金受給開始年齢が67歳に達したところで引き上げを停止する」と語った。

 年金受給開始年齢引き上げ問題は、これまで労働党が保守連合政権を攻撃してきた問題であり、特に肉体的重労働に携わる人々に70歳まで働けというのは非人間的だとしてきた。

 ホッキー提案以来、連邦上院は年金受給開始年齢引き上げの法案を否決してきたが、これまで保守連合政権は計画を放棄しようとはしなかった。

 9チャンネルの番組で聴視者から、「なぜ、70歳まで働くことがいい考えだと思うのか?」と質問され、「これまでも70歳案を撤回することを考えていた」と語った。

 野党労働党のビル・ショーテン党首は、「保守連合は2014年以来ずっと70歳案にこだわってきた。2018年7月にも、モリソン財務相は70歳案実現に努力すると語っていた。今になって、モリソン氏は選挙で敗れることを心配し始め、70歳案を撤回する気になった」と批判している。また、マイケル・マコーマック国民党党首兼連邦副首相は、「70歳案撤回は現実的で適切な判断だ」と語っている。

 しかし、デロイット・アクセス・エコノミクスのクリス・リチャードソン・エコノミストは、「新首相が世論調査の保守連合支持率低下に不安になって不人気な政策を放棄しようとしているが、これは大きな間違いだ」と批判している。
■ソース
Scott Morrison scraps Government plans to raise pension age to 70

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