「経費倒れで混雑悪化のライトレール」との警告

NSW州政府、助言無視で路電開発強行

 NSW州保守連合政権が鳴り物入りで計画を実施したライトレール延伸工事だが、チャイナタウンからサーキュラキーまでのジョージ・ストリート線が経費倒れで開通後もジョージ・ストリートの混雑を悪化させるだけとの助言が提出されていたにもかかわらず政権が計画を強行したと報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2012年の段階で、「ライトレールは収支ゼロになることさえない」との報告が出されており、工事開始後も工事が遅れた上に工事請負企業が州政府を訴え、さらに工事沿線の商店事業所60人が工事のために客足が遠のき、大損害を受けたなどで損害賠償訴訟を起こすなどの問題が続いている。

 国内インフラストラクチャ計画の調査やアドバイスを行う法定機関のInfrastructure Australia (IA) は、シドニー・ライトレールへの5億ドルの資金申請を、「ライトレール・プロジェクトは市内の混雑を悪化させるだけであり、経済的にも成り立たない」と却下している。

 また、ライトレール計画評価として、「通勤客の移動時間短縮にならない。また、開通当初から輸送能力いっぱいになり、将来の需要増大に対応できない。また、沿線中小事業に対する影響を無視してはならない。中小事業への障害のコストは膨大な額にのぼり、しかも現在の経済評価には加えられていない」と厳しい判断を下していた。

 この評価書は、2013年にNSW州政府に提出されており、今回ABC放送とフェアファクス・メディアが入手したが、IAが当時からライトレール・プロジェクトに対して非常に懸念していたことが示されている。

 このような否定的な評価を受けたにも関わらず、グラディス・ベレジクリアン保守連合州政府は連邦政府の援助もなく、シドニー市議会からの2億2,000万ドルの交付金を頼りに計画を進めた。

 IAは、州政府がシドニー都心部バス運行計画やロンドンで実施されているようなシドニー都心部に入る車両に混雑税を課すなどの代替措置を検討していないことも報告に加えている。
■ソース
NSW Government was warned Sydney light rail would be poor value and overcrowded

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