連邦議事堂で児童性虐待問題のモリソン謝罪宣言

ただし、出席の被害者はギラード元首相を歓迎

 2013年にジュリア・ギラード労働党連邦首相(当時)が設立した「児童性虐待に対する団体の対応」特別調査委員会は、5年をかけて、宗教団体、学校、スカウト、スポーツ団体、政府機関などで被害を受けた大勢の人々や証人の証言を聞き取ってきた。その結果、各団体で被害者に対する補償の制度を設立したり、児童性虐待を防ぐ措置を執るなどの改善が行われてきた。

 10月22日、連邦議事堂で被害者出席のもと、スコット・モリソン保守連合連邦首相が謝罪文を読み上げた。連邦政府は、児童施設など政府運営の施設で児童性虐待が行われていただけでなく、施設が性虐待の事実を隠蔽したり、また、施設、警察、児童福祉団体などが被害者の訴えに耳を貸そうとしなかった過去がある。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 しかし、モリソン首相の謝罪文朗読が終わると、拍手だけでなく、ブーイングも起きた。また、この日の謝罪行事には出席を拒んだ被害者もいる。

 一方、労働党連邦首相時代に右翼コメンテータや保守連合政治家から手ひどい扱いを受けながらも終始品位を崩さなかったギラード氏は、政界引退後も児童性虐待謝罪を求める運動に関わり続けてきた。

 下院での首相の謝罪の後、グレート・ホールに大勢の性虐待被害者が集まる中、ギラード氏が入ってくると、被害者が歓声を上げて一斉にギラード氏を取り囲み、さらにビル・ショーテン連邦労働党党首の演説で、「特別調査委員会を設立したギラード労働党首相を誇りに思う」と語ると、再び歓声が上がり、会場から、「彼女をステージに上げてくれ」などの声が聞こえた。

 ようやく、ステージに上がったギラード氏は簡潔に児童性虐待に耐えて生き延び、証言した人々に感謝の言葉を述べ、そのストイシズムを称えた。

 会場のギラード氏を取り囲む性虐待被害者の一人の男性はギラード氏の前にひざまずき、彼女の足にキスしようとしたが、ギラード氏は身をかがめて男性を抱き起こすという一幕もあった。

 男性はバララットのセント・パトリックス・カレッジで学んだが、そこで今は受刑中のロバート・クラフィーに性虐待を受けた経験があり、フランクと名乗った。フランクは、「私は労働党支持者ではないが、ジュリア・ギラードを会うことがあったら、ひざまずいて彼女の足にキスをするつもりだといつも言っていた。未婚で子供を持たない無神論者の女性首相が、他のすべての首相を合わせたよりももっと力強く、将来に向けて子供達の安全と福祉を守る事業をやってのけたのだから」と語っている。
■ソース
Of all the politicians, Julia Gillard was the only one survivors really wanted

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