「都市部混雑緩和に移民受け入れ削減」と首相

かつては「移民削減で国家財政も大幅縮小」と発言

 スコット・モリソン保守連合連邦政権は、大都市部の混雑緩和のために年間移民受入数を減らす考えを明らかにした。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 モリソン首相は、オーストラリアの都市の未来のテーマで発言し、「シドニーとメルボルンに人口成長が集中しており、道路は渋滞し、バスや鉄道は満員、学校は定員いっぱいになっている。政府は国民の声を聞き入れている。だからこそ我が国の人口管理を改善しなければならない」と語った。

 モリソン発言の何時間か前にはクリストファー・パイン国防相が、移民削減に反対する発言を行っており、「都市部の混雑緩和は移民を大都市ではなく農村部に定住させる政府の政策レベルで解決できるのであり、移民受入数を減らす必要はない。人口成長管理は重要だが、我が国は2,500万人を超えても大丈夫だ」と語っている。

 一方、モリソン首相は、かつて将来的な人口を決めることができるのは州政府だと発言しており、今回も、12月の会合では各州準州の人口容量を尋ねると語っている。

 しかし、メルボルン大学のピーター・マクドナルド人口動態学教授は、移民数を年間3万人引き下げても都市部の混雑緩和には役立たないだろうとして、「シドニーの移民定着人口を年間15,000人、メルボルンも15,000人。この程度を減らしたところで都市部の混雑には何の影響もあり得ない。都市部の混雑はこれまでインフラストラクチャ建設が遅らされてきたことが原因している。そこで今インフラ整備をやっている。かなりの額をシドニーとメルボルンのインフラストラクチャに投資している。しかし、インフラ整備には4年も5年もかかる。現在、インフラ建設のために都市部が混雑しているのではないか」として、モリソン発言に疑義を呈し、さらに移民数を減らすことは現在の労働力不足を悪化させることになるとしている。

 アラン・タッジ都市担当相は、「移民削減は予算にも影響してくる」と語っており、モリソン氏自身が財務相時代の2018年初めに「移民を8万人削減すれば連邦歳入が年間50億ドル縮小する」と発言していた。
■ソース
Scott Morrison warns permanent migration needs to be cut to ease city congestion

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