「疾病難民移送法」を支持した労働党支持率急落

「国境警備弱体化」のモリソン発言が奏功か

 疾病難民移送法は、パプア・ニューギニア(PNG)のマヌス島やナウルに収容されている難民認定者、難民認定希望者が疾病または傷害でオーストラリアの医療機関の治療を必要になった場合に医師パネルの諮問で大臣が決定するという内容の法案で、それに対してケリン・フェルプス無所属連邦下院議員が修正案を出し、「大臣の決定」を、「医師パネルの決定」に書き換えたが、保守連合政権はこれを不満としていた。

 法案通過を受けて、スコット・モリソン連邦首相は、「労働党の法律で強姦などの犯罪者がオーストラリア大陸で野放しになり、国境警備が弱体化される」と発言していた。

 その週に実施されたイプソ世論調査で労働党支持率が急落し、保守連合支持率が微増した。

 2月17日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 二党択一の質問では、労働党支持率51%、保守連合支持率49%と過去6か月で支持率差が最小になっている。2018年12月には54%対46%とはっきりとした支持率差があった。

 イプソ世論調査は、シドニー・モーニング・ヘラルド、エージ両紙の委託で実施されており、モリソン政権が労働党の政策を「領外難民収容制度を解体するものであり、また労働党が支持した新法により犯罪容疑者がオーストラリアに入ることを阻止できなくなる」などの言辞で攻撃しており、その攻撃の効果を無視できなくなっている。一方、保守連合政府はこの重要な法案で歴史的な敗北を喫しており、しかも今年5月に予定されている連邦総選挙でも労働党に政権を取られる可能性が高いとされていることから、ダメで元々という対応になっているとも評されている。

 また、政党同士の支持率では長期にわたって優位にある労働党だが、党首支持率では弱く、党首支持率から非支持率を差し引いた「純支持率」ではビル・ショーテン労働党党首が-9%ポイントから-12%ポイントにに下がっている。一方、スコット・モリソン首相は8%ポイントから9%ポイントへと微増しているが、この調査統計の許容誤差2.9%より小さい。また、首相適任者では、モリソン現首相が48%、ショーテン党首が38%となっている。これは2018年12月のデータで双方の支持率差が9%ポイントだったのに比べるとほとんど変化がない。

 2018年8月の自由党党首政変前には57%対30%の票差があった。この世論調査は、1,200人を対象に電話で聞き取り調査が行われており、許容誤差2.9%。
■ソース
Ipsos poll: Support for Labor falls after clash over refugees and border security

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