「保守連合の初めての持ち家優遇制度は無意味」

エコノミスト、選挙後初の政府公約批判を展開

 5月21日、複数のエコノミストが、「保守連合政権の『初の持ち家援助制度』は無意味で効果なし」と批判した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 エコノミストは、「初の持ち家援助制度は、初めての持ち家を購入する人達にとってはリスクが大きく、また持ち家率を押し上げる役には立たないだろう」と分析している。

 保守連合の公約の骨子は、まず、1万人に限り、購入する住宅価格の20%という自己資金率と手持ち資金の差額を政府が負担する、また、初めての持ち家購入者はLenders Mortgage Insurance保険料を負担しなくていい、さらに、単身者なら年収$125,000未満、2人世帯なら合計年収$200,000未満の世帯が応募できるなどとなっている。

 スコット・モリソン首相がこの政策を公約した際には、「初めての持ち家購入には自己資金率5%で住宅市場に参入できるようになる」と宣伝していた。

 しかし、グラタン・インスティチュートのブレンダン・コーツ氏は、「この制度は初めての持ち家購入者の住宅市場参入を保証するものではない。誰かが住宅市場から脱落しない限り、誰かを住宅市場に送り込むことはできない。その場合、住宅価格が下がることが考えられる」と語っている。

 また、「銀行の定める返済能力に達しないためにローンを契約することさえできない人々はこの制度を利用することもかなわない。この制度の資格を持ち、5%の自己資金を持つ人口は127,000人程度だろう。また、年間1万人という上限は、2018年に初の持ち家を購入した人口の約10%程度であり、この制度を利用する資格があっても90%ほどの人がこの制度の恩恵を受けられない。従って、このような制度は非常に無意味であり、持ち家率を押し上げることもないだろう。そればかりか、この制度の枠を広げ、利用できる人口を増やしたところ助けになることはないだろう。枠を無制限にすれば単に需要を住宅需要を拡大するだけで、そうなれば住宅価格が押し上げられ、初めての持ち家購入者を支援するどころか逆に妨害することになるだろう」と語っている。

 さらに、「大都市で住宅価格が下がっているが、初めての持ち家を購入する頭金を蓄えることさえ困難になってきている。平均価格の住宅を購入する場合、かつてなら20%の頭金を蓄えるのに5年か6年かかった。現在では10年以上かかるようになっている」と語っている。

 JPモーガンのサリー・オールド主任エコノミストは、「今のように不確定な時代に政府が初めての持ち家購入を奨励することは、購入者の負債が所有不動産の価値を上回る結果になることもあり得る」と語っており、現実に住宅ローンの返済に困り、また購入した住宅の価値が住宅ローン残額を下回るケースが出ている。
■ソース
Economists warn Coalition’s first home buyer deposit scheme is ‘irrelevant’ and ‘ineffective’

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