国内初のVIC州の幇助死法で自発的安楽死可能に

北部準州の同法はハワード連邦政権が強制無効化

 かつて北部準州(NT)自治議会が幇助死を合法化する法制を制定したことがあるが、州とは異なり、準州は連邦政府直属のため、自治議会の決めた法制を連邦政府が連邦議会を通さずに覆すことができる。当時のジョン・ハワード保守連合政権がNTの幇助死法を強制的に無効にしてしまった。

 このほど、VIC州議会が幇助死法を制定し、今週から同法が発効するため、法に定められた手続きにより合法的な自発的安楽死が可能になる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2015年、多発性硬化症(MS)の夫の自発的安楽死を看取った女性の働きかけで、VIC州議会は特別調査委員会を設立し、患者の意思による安楽死について調査を行った。

 テリ・エスクデールさんの夫、マーク・ブレナンさんは安楽死自殺を決行する際に誰も自殺幇助の罪に問われないようにするため、誰にも看取られずに薬物を飲み、死に就いた。その経験から、エスクデールさんは、誰も孤独死を選ばなくていいように、幇助死法の制定を求めたのだった。

 調査委員会の報告に基づき、VIC州議会は2017年11月に「自発的幇助死法」を制定した。この法律が18か月の実施予備期間を経て、6月19日より発効する。

 ダニエル・アンドリューズVIC州首相は、「同法の施行についてこれまでに100件ほどの問い合わせを受けている。海外の事例から判断して最初の1年間で12人程度の人がこの法律による自発的安楽死を選ぶことと思う。将来的には年間100人から150人程度になると思う」と発表している。

 この法律による幇助死の条件と手続きは、18歳以上のVIC州民で、自分の行為を認識する精神的能力があること。2人の医師の診察により、疾患の末期で回復不可能であり、耐え難い苦痛を伴っており、6か月以内、またはMSのような神経変性疾患であれば12か月以内に死亡する可能性が高いと診断されれば、幇助死を選ぶことができ、申請すれば安楽死用のキットが送られてくる。キットには2種の薬物、説明書が含まれ、説明書の手順に従って2種の薬物を患者が自分で混合し、さらにもう一つの薬物を自分で服用しなければならない。この作業に家族その他の者が付き添うことができる。

 同法では、末期患者が家族その他の者によって安楽死を選ぶよう圧力をかけられないようにセーフガードが設けられている。たとえば、当人の死によって利益を得る者は申請書の証人になることができない。また、薬物の詳しい内容については当局が明らかにしないが、ネンブタール系と考えられている。このキットはアルフレッド病院の薬局が患者に提供することになっている。
■ソース
Voluntary euthanasia to begin in Victoria as assisted dying laws take effect this week

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