2019年減税による国民の支出増加はわずか

2008年に次ぐ不況の小売部門には効果なし

 減速化の進む経済に対して消費増大を狙ってスコット・モリソン保守連合連邦政権が予定している減税は、2008年の世界金融危機以来最大の不況とされる小売り部門にはほとんど効果がないとの報告が出ている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ANZ銀行の予測では、ステージ・ワンの減税で国民世帯の収入は0.6%増えることになるが、2009年のケビン・ラッド労働党政権時の経済刺激策に比べると4分の1の増収にしかならない。また、2019年後半の国民世帯の消費の伸びは0.5%程度に留まる上に、消費の伸びは生活の基本的なサービスや旅行に向けられることになる。

 中低所得者の税控除はすでに法制化されており、最高額は$530、また、年収$90,000を超える者は年に$665の手取り増となる。今年の減税法案が通過した場合、税控除はほぼ倍になり、個人で最高$1,080の手取り増となる。

 当初、保守連合政権は減税法案を3つに分けて順番に施行する予定だったが、5月選挙で勝利するとすべて一括で法案として成立させるように変更している。

 ANZエコノミストのアデレード・ティンブレル氏は、「ケビン・ラッド労働党政権が国民一人一人に$900のボーナス支給で経済刺激を促した政策と保守連合の減税策を比較し、ラッド政権の政策は国民世帯収入の2.8%にもなった。また、中銀(RBA)の政策金利が7.25%から3%にまで急激に引き下げられ、消費者行動に劇的な影響があった。事実、月々の小売支出では2008年12月には4.1%の上昇が見られた。また、2009年3月には2.6%の上昇が見られた。それ以降はそれほど大きい小売支出の伸びは見られない」としている。

 また、「今回も手取り増で消費が増えると予想されるが、国民世帯の平均債務が大きくなっており、また非裁量支出の額も大きくなっているため、裁量支出が伸び悩む可能性がある。たとえば、歯科治療のようにこれまで抑えられていた医療支出が裁量支出より優先するようになる可能性もある」と予想している。
■ソース
Tax cuts to boost spending, but retail may not win out

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