NSW州議会下院で妊娠中絶合法化法案可決

59対31の大差の背後で自由党は大割れ

 8月8日夜更け、NSW州議会下院で妊娠中絶禁止の条項を刑法から削除し、医療の対象とする法案が59対31で可決された。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 法案の採決にあたっては労働党、保守連合とも党議拘束を外して個々の議員の良心に任せることを決めており、自由党は35人の議員のうちには反対票を投じた者も多く、党が大きく割れ、賛成票を投じたグラディス・ベレジクリアン州首相の指導力が自由党内で問われる可能性がある。

 法案は週明けから州議会社会問題調査委員会が審査し、条項に問題がなければ上院に回されるが、上院では問題なく可決される見込み。

 州政府閣僚ではベレジクリアン首相の他、ブラッド・ハザード保健相も賛成票を投じたが、マーク・スピークマン法務長官、ドミニク・ペロテット財相、ロブ・ストークス計画相が反対票を投じている。

 アレックス・グリニッジ、グレッグ・パイパー無所属議員、緑の党、射撃遊漁農民党の他、労働党も大多数が賛成票を投じた。

 大多数の女性団体、医療専門家が同法案を支持していたが、医師でもあるワガワガ選出のジョー・マクガー無所属議員は反対票を投じている。

 同法案は3日間の審議で12件を超える修正動議が出された。修正動議のほとんどは法案に盛り込まれた「妊娠22週間を過ぎた後の中絶」に関する内容だった。

 法案は超党派の15議員の共同で提出され、妊娠22週間までは妊娠女性の要請で資格医が行うこととされており、22週間を過ぎている場合には医師2人の合意を必要とする。また、良心に基づき中絶を手がけることができない医師は他の医師を紹介する義務を負うことなどが定められている。

 マーク・スピークマン法務長官が、「女性が、自由意思に基づき、任意にインフォームド・コンセントを与えた場合にのみ中絶を行うことができる」との修正案を出した。この修正案に対してハザード保健相が、「このような条項を法案に挿入する理由がない。女性が妊娠中絶を求めた段階で修正案の内容を満たしているではないか」と発言、ベレジクリアン州首相を含む41議員が反対票を投じたが、49票の賛成で修正案が通過した。

 その他のほとんどの修正案が否決された。
■ソース
NSW lower house votes to decriminalise abortion

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