「財政黒字回復よりも雇用増大を」

有権者の世論調査で国民要求

 3月18日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、さらに世論調査を掲載した。

 それによると、回答者の過半数が、「財政黒字回復は重要」と考えているが、財政を引き締めすぎて景気が沈滞し、雇用が悪化することには反対、財政黒字よりも雇用を優先することを望んでいることが明らかになった。

 保守連合政権は、労働党前政権の累積赤字1,230億ドルを労働党の失政と攻撃し続けており、今後10年で6,670億ドルに膨れあがると予想している。しかし、財政危機を迎えた国が緊縮財政を取った結果、景気がさらに悪化し、失業率が上がり、税収も悪化するという悪循環に陥ったという例は山ほどある。

 3月13日から15日にかけて977人を対象に実施されたこの世論調査では、回答者の86%が「雇用が最優先」と答えており、「黒字回復が最優先」と答えたのわずか12%だった。ただし、雇用が最優先と答えた回答者の54%が黒字回復も重要だが、そのために雇用が悪化するのでは困るという立場を取っている。

 また、雇用が最優先とする回答者の支持政党別では、労働党が94%、緑の党が92%と非常に高率だが、保守連合では79%とかなり下がり、もともと保守連合支持者は失業の心配のない社会階層ということが現れている。また、最近、保守連合政権も「どうあっても予算を大幅に切り詰め黒字回復」から「景気や雇用の悪化にならない程度に抑える」と調子をやわらげているのもこのような国民の意思に配慮したものと考えられる。

 トニー・アボット連邦首相は、「官庁の手続きの煩雑さは10億ドルの損失。また、環境影響調査も投資に対する大きな妨げ。この両者を簡素化し、投資を促す」と発表しており、「絶対に5年間で100万人、10年で200万人の雇用増を実現する」と再度強調している。ただし、エコノミストらは、「今後5年で数十万人の雇用増がせいぜい。100万人はあり得ない」と否定的。(NP)

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