ロシアのクリミア併合、G20が制裁か

豪政府、西側諸国に歩調あわせ

 ウクライナの親西派と親露派の対立は親露派大統領に対する親西派の反乱、親露派大統領追い出し、さらにロシア軍掌握下でのクリミア住民投票によるウクライナからの独立宣言、ロシア議会のクリミア併合決定、クリミアで親露派ないしはロシア軍のウクライナ海軍司令部攻撃と局地的ながら一気に武力衝突に発展した。

 この間、西側はアメリカや欧州連合がロシア制裁を掲げて牽制してきたが、チェチェン問題、グルジアの一部のロシア併合でも西側はロシアを牽制してきたが現実には何の実効性のある措置も取ってこなかったことと、西側諸国も歴史的にロシアと同じようなことをしてきており、ロシアを責めるのは偽善だという反撃の根拠がある。また、ロシアは欧州に消費量の4分の1から3分の1程度のガスを供給しているが、これは双方にとって強みにも弱みにもなる。結局、これまで通り、西と東が緩衝地域の小国を犠牲にして妥協点をうかがっているという図式になるのがオチと予想できる。

 3月19日、ロシアとウクライナの小規模武力衝突をきっかけに、オーストラリア政府もロシアに対する制裁措置を強化するかどうかの検討を始めた。連邦政府はすでにロシアとウクライナの親露派高官12人の経済・渡航制裁措置を発動しているが、ジュリー・ビショップ外相は、「今年11月にブリスベンで開かれるG20首脳会談にウラジミール・プチン露大統領を招くかどうかはまだ決めていない」と語った。

 欧州連合とアメリカも、ロシア、クリミア、ウクライナの高官の資産凍結を行った。ロシア軍と親露派勢力はクリミアのセバストポル・ウクライナ海軍司令部に突入し、ウクライナ兵士1人が死亡、何人かが負傷し、突入部隊が司令部屋上にロシア国旗を掲揚、ウクライナ海軍将兵は武装を没収された上に私服で司令部を追い出され、ロシア軍諜報機関将校に連行された。その後さらに制服のウクライナ海軍将兵が司令部を退出している。

 ウクライナ「革命」政府も西側諸国も、クリミアの住民投票もロシアによる実効支配も認めないとしているが、ロシア帝国から世界二極支配でアメリカと対抗したソ連を経て一転、周辺国を失い、貧乏国に転落したロシア国民の屈辱感と怨恨は強烈なナショナリズムに転化しており、ロシア政府の武力政策もこれを背景にしている。(NP)

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