オレンジ色の救命艇総額750万ドル

難民希望者押し戻し作戦の経費

 トニー・アボット保守連合は、選挙公約で難民船対策として、「安全な限り、難民船をインドネシア領海に追い返す」を公約していた。その後、シンガポールから中国製のオレンジ色の天蓋付き救命艇を購入し、航海に耐える艤装を施し、「安全な航海に耐えない」漁船の難民希望者を救命艇に移し、インドネシア領海に押し戻す作戦を採るようになった。救命艇は一隻何万ドルかのコストがかかっているが、一回ごとの使い捨てで、インドネシア領土に漂着後はインドネシアの所有物になる。ただし、保守連合政府は情報統制状態にあり、オーストラリア国内のメディアの報道はほとんどすべてがインドネシアで収集した情報というオープンな民主国家とは思えない状況が続いている。

 3月20日、連邦政権が財政から支出しているこの救命艇の経費総額が3倍に膨れあがり、750万ドルに達したと報道されている。21日に予算委員会聴聞で発表されることになっているが、1月にはこの救命艇購入経費として250万ドルが計上されていたが、5万ドル膨れあがった。この救命艇は計器類などの艤装も含めて一隻20万ドルと想定されており、最初の12隻から37隻に増えており、保守連合政権のスコット・モリソン移民相が「1月以来、1隻の難民船もオーストラリア領海に入っていない」と豪語する現実の事情を物語っている。フェアファクス・メディアの報道によると、連邦政府は、「国家安全保障上の脅威がオーストラリア領土に上陸する前に察知するオーストラリア海事識別システム」に570万ドルを支出する予定になっている。その他に、海軍艦船「トリトン」出動を6か月延長するために1,680万ドル、武装巡視船「オーシャン・プロテクター」の契約延長に2,500万ドルなどが計上されることになっている。

 連邦議会では、移民政策の中心課題がすっかり、難民船対策「オペレーション・ソブリン・ボーダーズ」で占められてしまっており、パプア・ニューギニアのマヌス島難民収容所のオーストラリア人職員を収容する宿泊船「ビビー・プログレス」の宿泊料が7か月で1,330万ドルにのぼっている。さらに、マヌス島とナウルのオーストラリア領外難民収容センターを管理する民営ロジスティック企業がこれまでのG4S社からトランスフィールド社に移り、新契約は総額12億ドルにのぼっている。先日の島民らの襲撃で収容者1人が死亡、60人以上が負傷したマヌス島では過去7か月、1件の難民認定申請も処理されていない。(NP)

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